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「聞いてくれる…?」


「ええまぁ、少しならいいですけど…」


暖かいココアを取り出し飲みながら呑気に女性を見る。


「散々なのよ…今日は…。社員の1人には飛ばれるし、3年付き合った彼氏と今日デートしてたら浮気相手が登場して、実は私の方が浮気相手だったって言うね……3年よ?3年。向こうは4年だったらしい、器用な二股よねえ!」



うわぁ、実は自分が浮気相手はひどい、つらすぎる。他人事だがえげつないなと思いながら聞く。





「私ね、最近会社立ち上げたのよ…ふふ、若手社長ってね、甘くないわよ…世間が言うほど凄くもないの…未熟過ぎて色んな人と出会い別れが激しすぎるわ……なんで飛んだのよ…せめて普通にやめなさいよ…」




大声の愚痴から徐々に小声でぶつぶつと話し始める。
社会人のことは全く分からないが、彼女が社長をやっているということはわかった。意外とすごいんだな、と思った。


「…まぁ、そんな人達が自分から勝手に離れていってくれたんですから、逆に良かったじゃないですか」


「君…すごくポジティブだね……いいわぁそれ」



ポジティブだったか…?一応慰めようとは思ってはいたが、早めに縁を切れて良かったのではないかとは思う。


「会社立ち上げたの間違いだったかなぁ…私社長向いてなさげ…?」


「……そんな事ないんじゃないですか。あんた人間大好きそうだし」


「ううう!君はいい子だぁねええ!!!」



ベンチに座りながらもうずくまる女性。
本当に、今は情緒が不安定なんだろうな。

今は泣きじゃくって化粧がボロボロになって酷い顔になってるけど、顔自体小さいしたぶん整った人なんだろな。



「…飲みます?俺の飲みかけですけど、あったかいです」


「…っい、いいのお??そんな温かさ貰っちゃっていいのぉ!?」



そう言って震えた手で俺のココアを握りしめる彼女。
よく見たらすごい薄着というかアウターを着ていなかった。ヤケになってどこかに投げ捨ててきたのだろうか。


「…寒くないですか?」

「寒い、寒いけど、今は君の優しさがあったかいよぉおお…ありがとううう」


「いえ…とりあえず、タクシー呼びましょ、今日は家に帰った方がいいです」


「うん…そうするぅ……ありがとう…君の名前は?」

「国見英って言います」

「私は笹野Aだよぅう…あきらくん本当にありがとう……」


タクシーを呼んだ彼女は、後日お礼がしたいと、連絡先を交換して帰って行った。
…ココア持っていかれた

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紫月とと - もう一話見た瞬間にグサッと心に突き刺さりました…💘😭 国見ちゃんの大人っぽさがより際立ってて雰囲気だいすきです!!! 歳の差恋愛系って中々ないので更新楽しみにしてます💭🫶🏻 (2月4日 7時) (レス) @page13 id: 50a88ed8c5 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 好きです!(唐突の告白) 主人公が社会人…余り無いジャンルで面白いです!歳の差、って奴ですよね!そう言うのって時々切ないけどとても好きです! (1月3日 15時) (レス) @page8 id: e1c5f3df3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢月 | 作成日時:2023年12月20日 13時

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