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そこからは会社の話から、元彼の愚痴に変わっていった。
「3年も浮気相手やらされてたってどういうことよって話よねほんと」
「…笹野さんみたいな綺麗な人には釣り合わなかったんですよ、その男が」
これは本心だ。笹野さんは本当に綺麗で、モデルと言われても違和感がないくらい。
「ん〜!もう!あきらくんいい人すぎ!あきらくんみたいな人が彼氏だったらなぁ」
「え」
「あ…ごめん変な意味じゃないからね!?」
そう言いながらも少し頬を赤らめる笹野さん。これは自惚れてしまうぞ?
それにしても本当にアルコールが入ってないのか疑ってしまうレベルで、笹野さんはどんどん喋り方が砕けてきている。
俺に慣れてきてくれたってことでいいんだろうか
「もう、吹っ切れたんですか?」
「もちろん吹っ切れた、あきらくんにココア貰った次の日からもう、ばっちりよ」
親指を立てながらにひひと笑う笹野さん
先程の発言を思い出して少し小っ恥ずかしくなり、すかさず肉を食べる
「あきらくんはなんの仕事をしてるの?それとも学生?」
「あ」
わすれていた、この人は俺を成人だと勘違いしているんだった。どうしよう。お酒を飲んでるわけでもないのに悪いことをしている気分になる
「学生…です」
笹野さんが言っているのは大学生のことだろうが、高校生はおろか俺はまだ中学生だ。今年から高校生とはいえまだ入学していないし。
「そっかぁ、いいなぁ!キャンパスライフ!私も行けばよかったなー」
「大学行ってないんですか?」
「そ!なんなら私最終学歴中卒よ?」
眉を八の字にしながら言う笹野さん。中卒と言うと、今の学歴社会じゃすごい苦労したんじゃないだろうか。
普段なら言いにくそうなことを、サラッと言ってくれた。
「あっでも最近高卒認定試験受けてね、高卒だわ!」
「おめでとうございます」
「ありがとう〜!」
上手い具合に俺の年の話はなんとなく回避し、笹野さんとは仲良くなれた気がする。
お会計をする流れになり、伝票が気になったがお礼だから!と言われ値段を見ることも無く笹野さんが会計をしてしまった。
……たぶん、見たところで俺の小遣いじゃ払えないんだろうけど
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紫月とと - もう一話見た瞬間にグサッと心に突き刺さりました…💘😭 国見ちゃんの大人っぽさがより際立ってて雰囲気だいすきです!!! 歳の差恋愛系って中々ないので更新楽しみにしてます💭🫶🏻 (2月4日 7時) (レス) @page13 id: 50a88ed8c5 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 好きです!(唐突の告白) 主人公が社会人…余り無いジャンルで面白いです!歳の差、って奴ですよね!そう言うのって時々切ないけどとても好きです! (1月3日 15時) (レス) @page8 id: e1c5f3df3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢月 | 作成日時:2023年12月20日 13時