【HQ×黒バス】キセキ？…きラィ、キらイ。もゥいやダ。

103:ザンネン ページ3

「では、今日の授業はここまで」


「ありがとうございました」



級長がそれ言った直後、一斉にありがとうございました、と言う。

皆心なしか声が弾んでいる。



「やっと終わったー」
「A」

「翔陽、何?」
「一緒に部活行こうぜ」
「分かった」


そう、ようやく今日の授業が終わった。


＿＿皆にとっては、明日からGWなんだろうな。




それもあり、各自帰りの用意をしながらも、「お前どこ行く？」などの話をしている。


残念ながら、私は部活尽くしだけれど。




(…残念、なんて、大嘘ね)


元々親はずっと仕事なのだ。放っていても予定などない。

…まぁ、烏野の皆とどこかに出掛けたい気持ちはあるけれども。



◆ ◇ ◆



時は変わってAチーム、Bチームで分かれて試合中。


私は、また【違和感】を感じていた。



(…夕さん、ちょっとおかしい?)

夕さんの表情が、僅かに歪んでいるように見えた。無論、プレーには影響が無いらしくて、誰も気がついてないみたいだけれど。

うん、やっぱり、怪我してるように見える。



「コーチ」

「ん?」

「ちょっと、ゆ…西谷さん呼んでもらっていいですか？」

「え、おぅ…」



コーチは言われるがままに、夕さんを呼んだ。

対する夕さんは首を傾げながらも、イタズラがバレた子供のような焦りが見られた。



「何ですか?」
「いや、俺じゃなくて…鳴海が」
「なるみん?」


緊張が解けたようにこちらを見て、そして私が救急箱を持っていることに目を見開いた。


「すみません、夕さん。怪我､どこかにしてますよね？」

「えっ…何で、分かったんだ?」

「表情です。」


ほら、と言って怪我した部分を出すように促す。



手当てしながら、夕さんに忠告した。


「今は痛みも大したこと無いでしょうが…放っておいたら、大変ですよ」

「ワリィ、ワリィ。けどスゲーな、なるみん!誰も気付いてなかったろ?」

「言ったじゃないですか。私、人の癖とか、表情から分かるんです」



「…。」


何かに悩むコーチの表情は、私には見えなかった。

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