黄緑担当です。3

◎ ページ8

*


他のクラスもお店や屋台を開けて、
約30分が経とうとする。

段々接客や裏方にも慣れた頃だろう。

遠井たちのクラスは
お客さんも良い具合に集まっていて、

特別忙しいという訳ではなかった。


「げっ…ころん……」


「さとみくんww何その格好ww」


店に入ってきたころんは
さとみの女装を見て笑っていた。

運が悪いのか、さとみは
ころんの接客をすることになる。

きみも気付いたのか

「あ、ころんくんじゃん！」と
何やら嬉しそうだった。

きみの姿を見て、
ころんはまた吹き出してしまった。


「きみくんwww
めっちゃ偽乳じゃんww」


すぐに偽乳と分かったころんは
ずっと笑いっぱなしだった。

幸いあまり客が居なかったので
そこまで迷惑は掛からなかった。

「早く注文言えよ…」と
恥ずかしさと怒りで震えている

さとみはころんにそう言った。

メニューを見ながら少し迷った
ころんだったが、

メニューの中の写真を指差して
「フレンチトーストで」と言った。

ころんの注文を聞いて、
さとみはすぐに裏方へ直行した。


「さとみくんがあんなに
恥ずかしがってんの初めて見た」


「俺みたいに偽乳作れば
良かったのに……」


「それ狙ってやったのかよww

だけどロングのカツラ被ってて
メイクもしてたし、

何より顔が良いから
一瞬女と間違えたわ」


「あの低い声ですぐ分かったけどw」と
笑って水を飲むころん。

そんなころんを見てきみは
「(俺は？)」と寂しく思っていた。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ


「あれ？ころちゃん居たんや

はい、フレトー」


「お、ジェルくんありがとー」


始めこそは恥ずかしがっていた
ジェルだったが、

慣れたのか普通に接客が出来ていた。

机の上に置かれた
フレンチトーストを

ころんは蜂蜜をかけて1枚ずつ
食べていく。


「めっちゃ美味い」


「やろ？遠井さんが作ったんよそれ」


特に興味も示さずに
「ふーん」と言って食べるころん。

しかし、
手に握られているフォークは
止まっている様子が無かった。

照れ隠しと言った方が良いのだろうか。


「るぅと会長と莉犬は？」


「もうじき終わると思う」


フレンチトーストを食べ終えた
ころんは手を合わせて


「ごちそうさま」と言っていた。


ころんの言葉に疑問を持ったジェルは

「てか、
生徒会忙しいんじゃないん？」

と聞いてみる。


「抜け出したから大丈夫、大丈夫」


「おー、それ大丈夫じゃないやつな？」

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