黄緑担当です。10

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✻


　
「…？その人知り合い？」


…そうだ。

ころんくんは俺の大学の事は
あんまり知らなかった筈だ。

何とか切り抜ける方法とかを…。


「うん、ちょっとこの人と
大切な話してるから

また後でにしてくれる？」


「…え？でも…」


「後でにしてくれる？」


きっと俺は酷い顔をしてるんだろう。

ころんくんはそんな俺を見て
震えてるようだった。

相手の胸ぐらを掴みながら言うとか…。

せめて離してから言うべきだったな、
と後悔する。


「あ、もしかしてころんくんですか？
俺ファンなんすよー」


と俺の肩を組みながら
ニッコリと笑う影野。

早くコイツを何とかして、
ころんくんから遠ざけたい…。


「…何ですか」


ころんくんも何返事してんの！？

ヤバい…凄くヤバい。
奇人って言われてる俺でも分かる。

ここでころんくんに
大学の事とかを知られたら…。


「ぶっちゃけコイツのこと
どう思ってます？

やっぱり、ころんくんと
コイツ不仲だから嫌いなんすか？

いっつもコイツの扱い雑だし」


…やっぱり真正面で言われると傷付く。

ころんくんと不仲って言っても、
ビジネスだと思いたいし、

確かに扱いだって何時も雑だ。


「…それ、貴方に言われる
筋合いありませんよね？

ファンとか言って、
メンバーを貶す人無理なんで」


ところんくんは、
睨みながら論破していく。

すると影野は笑い出して、
また俺を指差す。


「それもしかして図星ですか？
やっぱコイツのこと嫌いなんすね」


「やめろお前」


と俺はベラベラと喋る影野に
ストップを掛ける。

しかし、コイツは止まらなくて、
笑いながら俺を貶す。


「大学ん時に一緒に歌い手やってたけど
コイツには期待はずれなんすよー

いっつもトロいし、歌も下手だし、
リーダーのくせに何も出来なくて」


「っ、やめろ」


「すとぷりって何でこんな無能
置いてるんすか？」


うるさい。

こんなに真正面に言われて、
しかもメンバーの前で笑いながら言う

コイツを殴りたい。

…そう思っていた。


「っ、きみくん！？」




俺はコイツを…影野を殴っていた。

ころんくんからの
ストップが聞こえてくるけど、

そんなのお構いなしに殴り続けていた。

何でコイツ血とか出てんだろ。
…なんだ、鼻血じゃん。

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