黄緑担当です。10

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あんまり、柄じゃないことだと思ってる。

震えているきみくんの頭を優しく撫でると、
ポタポタときみくんが流しているであろう

涙が落ちていき、床に涙が浮かんでいる。


声も我慢していて、
しゃくりを上げないようにしてるけど、

普通にバレバレ。

我慢をしているように見えるけど、
全然隠しきれてなくて、しゃくりを上げている


「Aくん、
「ごめんなさい」とか言うなよ？」


ニヤリと笑いながら、
きみくんと目線を合わせると、

少し驚いたような顔をしたきみくんだが、
フッと笑って「分かりました」と返事をした。


「あれ？もう良いの？」


「はい、泣いたらスッキリしました」


「相変わらず強いね」


「……全然強くありませんよ」


しまった。

彼の地雷を踏んでしまったのかもしれない。

酷く冷たく、冷静なきみくんの声に
俺は後悔する。

やってしまった。

折角良い感じの雰囲気だったのに……。

俺の馬鹿……っ。


「……あ、きみくん！！

まふん家でゲームしてんだけど、
今から行かない？」


「勿論、強制でね」と言うと、
少し目を開いてから、

「行きます」と了承してくれた。


上着や鞄を用意して準備万端の
きみくんの手を無理矢理引いて、

きみくんの家を出る。

心の中で何処かホッとしている自分と、
少しモヤモヤしている自分が

俺の心の中に潜んでいた。



＿＿＿＿＿＿＿＿



うらたさんに半ば強制に連れられたのは
別に何でも良いんだけど……

よくよく考えてみれば、
まふまふさんの家に行くんだよ？

は？無理、死ぬ。

大先輩の家に行って、しかもゲームって……
普通に考えて俺めちゃくちゃヤバいぞ？


ていうか、今思い出したけど、
俺、謹慎中なんだが。



「お……お邪魔します……」


「まふー、連れてきたよ」


「ほ、本当に連れて来たんですか…」


玄関からまふまふさんが迎えてくれたけど、
普通に俺迷惑だったのかな。

………いや、分からない。


「うらたさん凄いです」


「褒めんなよ」


あー……顔が良い。

まふまふさんとうらたさんの絡みは
以前のお出かけやYouTubeで見ているけど、

生で、しかも目の前で……。

謹慎中じゃなかったら、
Twitterでめちゃくちゃ自慢出来る。


玄関に突っ立って
ボーッとそんな事を考えていると、

「きみくん？」と
まふまふさんの声が聞こえた。


「はっ、はいぃっ！？」


「緊張しなくて大丈夫だよ
靴脱いで上がって？」


とまふまふさんは優しい声でそう言った。

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