黄緑担当です。

◎With toi ページ38

*


「遠井さん！遠井さん！」


「おーおー、前回に引き続いて
嫌な予感しかしないんだけど」


嫌がるように言う遠井さんに、
俺は苦笑いをする。

まぁ確かに…
前回はあの6人のお陰で

折角の遠井さんとのお出かけが
台無しになっちゃったからな。


「だからさ、明日の土曜日、
もし空いてたら一緒に遊びに行こうか！」


「えー…まぁ、うん……いいけど…」


あれ。断るかと思ってた……。

渋々了承してくれた遠井さんに

「それじゃあ時間は後で送るから！」
と言って、

家を帰ろうと鞄を持って教室を出た。


「きみくん、今日なんか嬉しそうだね？」


「何か良いことあったの？」と
なーくんに言われる。

これもし言ったらジェルくんの耳に
届いたりして…。


「ううん、別に何も無いよ」


「そっか…？」


疑問に思いながら
首を傾げているなーくんに、

俺は少しホッとしてた。

良かった…バレてない……。

―――――――


「あれ？遠井さんもう着いてたんだ」


「いや？今来たとこだけど…」


待ち合わせ場所に
結構早く着いてしまい、

きみくんを待っていたら、

私が待ち合わせ場所に来た直後に来た。

一体何処に行くのだろうか……
そう思っていると、

きみくんがキラキラしながら

「俺行きたい所あるんだ！」と言う。

正直何処に行きたいか想像出来る…。


「遠井さん何処か行きたいとこある？」


「ん〜特に無いかな、
きみくんが行きたいとこ連れてってよ」


するときみくんは私に笑顔を向けて

「じゃあ俺ゲーセン行きたい！」
と言いながら私の手を引いて歩く。

…周りから見たらリア充って
思われるのかしら…。

もしジェルがこんな所見たら
前回じゃ済まないだろうな……。


「ゲーセンで何かやりたいのあるの？」


「プリクラ撮ってクラスの皆に自慢したい」


「それ自分で首絞めてない？
ジェルに何かされても助けないからな」


そんな私の言葉を無視して、
プリクラに小走りで向かうきみくん。

コイツ絶対精神年齢5歳だろ。

保護者になった気分だな…

―――――――

「そういえば、
この間ももちゃんとプリクラ行ったら

何か聞き覚えある声したナレーターいてさ
10円玉40枚入れろとか言われたりして…」


「10円玉40枚はめちゃくちゃキツイww」


「んでモードとかあるんだけど
『盛り盛りモード』や『カップルモード』

あと『なまはげモード』ってのあってさ」


「最近のプリクラってスゴいんだね」

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