第三十話 こんのすけ再び ページ33
小夜左文字は、話が長引く気配を察知し、一足先に失礼することにした。一応の断りを入れ、退出する。
小狐丸は苦虫を噛み潰したような顔をした。
「……世話をするのは確定ですか」
「ははは。……骨喰よ、お前は同門の短刀とだろう？」
三日月宗近の流し目に、骨喰藤四郎は一切動じず頷いた。
「ああ。……主は気づいていなかったようだが、五虎退も同じ粟田口だからな。俺は五虎退とは特に確執は無い筈だ。問題は無いだろう。……五虎退も、それで良いか？」
骨喰藤四郎が話を振ると、五虎退はこくりと頷いた。そして、おずおずと口を開いた。
「はい。……僕も、えと、…ばみ兄とは色々話してみたかったんです」
「……なら、決まりだな」
骨喰藤四郎のその一言により、骨喰藤四郎と五虎退の相部屋が決まった。
そして、三日月宗近の世話を骨喰藤四郎に任せようと目論んでいた小狐丸は、がっくりとした。しかし、へし切長谷部に押し付けるのは、ナニかに負けたようで嫌だった。
「……仕方ないので三日月、貴方は私が引き取ります。ええ、仕方ないので！」
小狐丸の言いように、三日月宗近はむっとした。
「小狐丸よ、その言い方は無いのではないか？」
「………衣装の着付けを任されるのは、目に見えているでしょうが」
「ははは、少々着方が複雑だからなぁ」
三日月宗近は、否定はしなかった。つまりはそういうことである。
「……お前、大変だな」
へし切長谷部は、小狐丸に何とも言えない視線を向けていた。
「……うるさいですよ！」
小狐丸は、ぐにゃりと表情を歪めた。
「………………あのー、そろそろ、よろしいでしょうか？」
聞き覚えのある声に、六振りの視線が集中する。声の主はこんのすけだった。
「……管狐が何故ここに」
こんのすけは、いささか居心地が悪そうに身じろぎをした。
「……上巳様に後を任されましたので」
「……それで、何の用だ」
山姥切国広は、布をきつく握りしめながらこんのすけに尋ねた。
「はい。皆様に風呂に入らせるよう仰せつかりました」
「……風呂？」
「戦の後で汗もかいていますし、土埃も付着しています。身を清めるのです！！」
こんのすけの説明に対し、刀剣男士の反応は鈍い。しかし、こんのすけは容赦なく切り札を切った。
「元が鋼の身ですから、水に抵抗はあるでしょう。……ですが、主命です」
その日の夜、彼らは風呂に入った。確かに極楽だったのである。
そして、長い一日は過ぎ去った。
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清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2016年10月23日 23時) (
レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました！主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます！きっちり修正しました。コメントありがとうございました！！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ！魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
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