第二十八話 水場の変 ページ31
「うん、それでですね。……顕現早々申し訳ないのですが、これから片付けというか皿洗いがあるんでお構いできないんです」
上巳は、心底申し訳なさそうに告げた。
「お皿洗い……ですか？……主様。僕、お手伝いします！」
「ッ！！」
上巳は、目を見張った。そして目頭を抑える。
(天使だ……。何ていい子なんだ……。感動で涙がちょちょ切れそう……。)
あまりにも、今日という一日が濃密過ぎて、上巳の感動の沸点はかなり下がっていた。
「え、えと……主様？」
五虎退は不安げな顔をした。
「い、いえ！ お手伝いして頂けるのなら有難いです！ 有難いんです、が……」
上巳は、遠い目をして言った。
「一応、汚れても良い格好に着替えて頂きたいんですよね……。お召し物が汚れますし」
上巳の言葉に、五虎退はにっこりと笑って言った。
「それなら大丈夫です！」
ーーーー
ーーー
ーー
厨もとい台所には上巳と五虎退の他、始めから手伝う意思を表明していたへし切長谷部。なんやかんやで付いて来た山姥切国広と骨喰藤四郎がいた。
皿洗いをしているのが、上巳に山姥切国広、そしてへし切長谷部。洗い終わったものを布巾で拭いているのが粟田口の二振である。
上巳は、握力で皿を割らぬよう二振に注意を呼びかけながらも無心で洗う。
彼女は今、腹筋と表情筋が試されていた。
五虎退の言った通り、確かに彼らには着替えがあった。所謂、内番衣装という奴である。
粟田口の二振はまだ良い。骨喰藤四郎は、紫のリボンタイがついた紺をメインとした部屋着だ。五虎退は白いシャツに、骨喰藤四郎と同じような紺のパンツという部屋着であり、落ち着いた格好をしている。
問題は残りの二振の格好だった。
ジャージである。いや、確かにだ、確かに汚れても良い格好とは言った。
山姥切国広は、絵に描いたようなくすんだ赤色の芋ジャージだった。そこはかとなく漂う昭和のかほりが、実になんとも言えない。芸人がスポーツ系のバラエティで来てそうなアレだ。
おまけに、例のボロ布をしっかり被っている。上巳は混乱した。あれは一周回って逆にオシャレなのではないかと。だが、一周回っでる時点で、ダサいものはダサいのである。
そして、へし切長谷部。紫と白を基調としたジャージには、黄色のラインが入っている。控えめにいって破壊力が凄い。陸上部に一瞬ありそうだとは考えたが、なまじ配色がアレだった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ラッキーカラー
あずきいろ
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清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2016年10月23日 23時) (
レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました！主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます！きっちり修正しました。コメントありがとうございました！！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ！魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
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