第十九話 顕現の建言 ページ21
「……せやね。同じ刀派以外にも、知り合いがいるなら会わせたいし。……じゃあ、鍛刀部屋に行きますか」
上巳は、鍛刀部屋に向かうことにした。顕現して間もない三条の二振は、物珍しそうな顔をしながら大人しく付いて行った。
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鍛刀部屋には、既に鍛刀が完了済みの脇差と、1時間以上時間がかかる鍛刀中の一振りがあった。
上巳は、意を決して脇差に触れた。もう、何度目かわからない光の奔流に飲み込まれる。眼を開くと、桜を舞わせる薄い色素の中性的な青年が佇んでいた。
青年の姿を視界に入れ、三日月宗近は眼を見張る。そして、袖を口元にやった。
中性的な青年は、口を開いた。
「骨喰藤四郎。すまない。記憶がほとんどないんだ」
(……アッ、……これ、気まずい奴……)
上巳は、一瞬半目になった。しかし、すぐに切り替えて口を開く。
「初めまして、骨喰藤四郎様。……私は、一応貴方の主にあたる上巳です。これから、たくさん新しい思い出を作っていきましょう！！」
そう言うと、右手を差し出す。骨喰は、動揺しつつもそれに応じた。
「あ、ああ……よろしく、頼む」
「あ、骨喰藤四郎様は刀派が粟田口なんですね！！ ……刀派被らないな」
端末を弄っていた上巳は、引きつった表情で鍛刀中のもう一振りに視線をやった。
「……どうせなら、もう一振りも顕現したらどうだ。この際だしな」
山姥切国広の後押しを受け、上巳は頷いた。
「そうだね。せっかくだし……」
手伝い札を使い、鍛刀を完了させる。内心火傷をしないかビクつきつつ、刀身に触れた。再び、光の奔流に以下略
桜を舞わせながら、色合いが特徴的な青年は口を開いた。
「へし切長谷部、と言います。主命とあらば、何でもこなしますよ」
「(……凄く有能そうな人キターー！！事務関係任したい！！)……あ、上巳と申します。一応貴方の主です。……未熟者ですがよろしくお願いします！」
そう言って、軽く頭を下げる。
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
にっこりとへし切長谷部は微笑んだ。
(何か……まともそう……)
「……この人数だ。さっさと出るぞ」
山姥切国広は、ちょっと顔をしかめて言った。人混みが苦手そうだなぁ、と考えて上巳は苦笑した。
「そうですね。……大広間、行きましょうか」
上巳は気付いていなかった。彼女の頭上で、へし切長谷部と小狐丸が火花を散らしていたことを。
第二十話 再戦の為の前準備→←第十八話 妥協という名の不時着
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清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2016年10月23日 23時) (
レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました！主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます！きっちり修正しました。コメントありがとうございました！！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ！魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
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