第十七話 謝罪三昧 ページ19
山姥切国広、小夜左文字と共に上巳は大広間に向かっていた。
(……アレっ？ 私かなり失礼なことしてない？？ ……挨拶されて、挨拶を返さず、逃げた。……神様相手に。…………アッ、これは……)
ふと冷静になり、上巳はサァッと青褪めた。
ーー神の不興を買ったら、七代はおろか末代まで祟られる
かつて、教官の言った一言が、ズシンと上巳に伸し掛かる。上巳は、遠い目をした。
「(……先立つ不幸をどうぞ、お許しくだ)ッあ痛ッ！！」
思わず目を瞑る。まさかの衝撃に鼻を抑える。涙が零れた。視線を上げると、歪む視界の中柱があった。どうやら柱にぶつかったようだ。
「主、考え事も良いけど……ちゃんと前を向いて歩こうか」
「血は出ていないようだが……大丈夫か？ 色々と」
「ごめん……大丈夫じゃないけど大丈夫……。鼻血出てないなら、良いや……」
引きつった笑みを浮かべ、涙目のまま上巳は覚悟を決めて、扉を開く。そして土下座をした。一切の無駄の無い動きだった。
「みっ、三日月宗近様！！ この度は誠に申し訳ありませんでした！ 全ては私の不徳のなすところです！！」
辺りを重たい沈黙が支配した。沈黙を破ったのは、謝罪をされた当人だった。
「……面を上げてくれ」
そう言われ、おずおずと顔だけ上げる。上巳の視界には、絶世の美人の憂い顔が飛び込んできた。思わず、うっ…と呻く。
三日月宗近は、それはそれは悲しげな顔をして言った。
「顕現して、口上を述べただけで逃げられるとは……あやつでは無いが非常に驚きでなぁ。……本丸の霊力にも特に異常は見られんことから、後ろ暗いところがあるようにも思えぬ。
……なあ、主よ。一体何故、俺から逃げたのだ？正直に言ってくれ。……改善点があるのなら、如何様にも善処しよう」
顔です。と、どストレートに言うわけにもいかない。上巳は、引きつった表情のまま、口を開いた。
「いや、本当に私の不徳の致すところで。……ちょっと予想以上過ぎてお腹いっぱいですというか、本当にすみませんこんなのでといいますか」
オブラートに包もうとして、支離滅裂になった。
三日月宗近は困った顔をした。
「すまない、はっきり言って貰えぬか？」
(……本人も言ってるし、はっきり言っても……良いよね？)
上巳は、思考とオブラートに包む努力を停止した。そしてぼそりと呟いた。
「……顔。美形過ぎてムリです、すみません」
場は凍りついた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2016年10月23日 23時) (
レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました！主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます！きっちり修正しました。コメントありがとうございました！！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ！魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
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