七海と灰原 ページ11
A side.
傑「私の呪霊も使うかい?」
『いや、無下限呪術の方が速いからいい。1秒でも早く着きたいんだ』
そんな会話をした後、すぐに体が宙に浮いた。
この景色を見るのは二回目だな。
百鬼夜行の時傑が言ったように、10年前も本当に何も変わっていない。
硝「うわ、たっか〜……落とすなよ五条」
悟「落とさねーよ」
傑「悟、あっちの方向にある小さな村だ。遠出と言っていたから地方の方かな」
傑が指差した方向は、東京から随分と離れている荒廃した村だった。
土地神が祓われる対象となるくらいだから、人が少ない過疎化した地域なのだろう。
次暗いところに移動したと思った時には、もう上から村を見渡せる位置に来ていた。
その村は転々と小さな家が建っているだけで、人が居る気配はない。
今はまだ明るい時間だというのに、辺りは暗闇で水でいっぱいに満たされているようだった。
『どこにいるか、見えるか?五条』
悟「……あの寺だ。あそこが一番呪力が強い」
『よし降ろせ』
そう言うと小さく舌打ちが聞こえたが、次の瞬間にはその寺の扉の前まで来ていた。
流石に古い寺には防音なんてものはないため、微かに走り回るような大きな音と声が聞こえた。
土地神の声と………小さく灰原と七海の声も聞こえる。
――――――七、海……後は、ッ頼んだよ……
おい、ダメだ。灰原雄。
――――――………ッ!!灰原ッ!!
七海がそう叫んだと同時に、俺の足は動いていた。
俺を抱えていた五条の腕を走って無理やり引き剥がし、ボロボロの扉を蹴飛ばす。
灰原の体に勢いよく飛び込んでしまうくらい全速力で走り、庇うように、強く灰原の体を抱きしめた。
土地神の攻撃が、来る。
何も言わず突っ込んでいったから、傑たちの援護もないだろう。
土地神の神とも呼べない気色悪い腕が、俺の体に触れた。
―――――バチィ……ッッ!!!
土地神の攻撃が弾かれる。
巨大な影が辺りを包み、土地神は悲鳴に近い叫びをあげてガクガクと震え始めた。
―――グ、ギャッ!!ウゥッ、アガッガァァッガッ!?!?!?!
今だ、と思い手を伸ばして傑の呪霊操術で弱った土地神を球体にする。
大丈夫、俺は無敵だ。
父さんの愛情たっぷりの、"呪い"がかかっているから。
『灰原……硝子に治療してもらえ。あと、七海も……ッ…』
俺はそれだけ言い残して力尽きた。
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こなた(プロフ) - 望さん» ハァア……ッ!!!!とても熱烈なコメントありがとうございます〜!書く時の励みになります……早くお話をお届けできるよう頑張りますね!! (2021年5月5日 10時) (レス) id: 8db0300427 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - 夢主くんの夏油傑しか勝たんとまでは行かないけど……全部引っくるめてサマーオイルが好き!!!!アッ…ニセハオコトワリデス!!!! (2021年5月4日 10時) (レス) id: 64f1bce536 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - あ…ヤバ…気付かないで何周かしてた…(汗)面白さは初見と変わらん…だと!? (2021年5月4日 10時) (レス) id: 64f1bce536 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - 文章の流れとか!キャラ同士の会話とか!ストーリーの流れが大好きです!!!自分の好みにどストライクです!!!毎日見ていられます!!!本当にそれくらい好きです!!!!!!!!!! (2021年5月4日 6時) (レス) id: 64f1bce536 (このIDを非表示/違反報告)
こなた(プロフ) - 憑喪姫さん» あ設定のところこなたになってましたよね、すみません。名前は固定じゃないので安心してください。教えてくれてありがとうございました! (2021年3月24日 18時) (レス) id: 8db0300427 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こなた | 作成日時:2021年1月25日 7時