本当の仲間は知っている

寂しい？ ページ30

私たちは、ほのみの病院から離れて、若武さんの家に向かった。


この結果をしっかりと報告しないといけないから。




若武の家の玄関に入ると、島崎さんがいたんだ。


「立花さん、お久しぶりですね。
　最近、姿が見られなかったので、何かあったかと思いました。

　和臣君たちは、書斎にもう集られていますよ。」




姿が見えなかった、か……。

私は、もうここに来ては行けない存在。



仕方ないよね。




島崎さんのドーナツ、美味しかったなぁ。

でも、それも食べられなくなるんだ。




それは……ちょっと寂しいかも。




ボーッとしていると、悠飛が私の額をコツンと押す。

「何してんだ、置いていくぞ。」



ご、ごめん！



慌てる私を見て、砂原は爽やかに笑った。

「やっぱり彩はトロイな。
　でも、俺、そういうやつが結構好きだったりする。」



うっ、こんな時にお決まりの言葉！




「何イチャついてんだ。早く行くぞ。」

「まあまあ。
　ここは温かい目で見守るべきよ。」


マリンも菜穂も少しは助けて！





そんなこんなで、若武さんの書斎に着いた。

扉を開けると、KZと黒沢さんの姿があった。





KZは分かりやすく私を軽蔑した目で見たんだ。


でも、そんなことで傷付いてはいられない。



私は知らぬふりをして、話した。


「今回、ここに集めたのは私です。

　集めた理由は事件がどれくらい進んでいるかの確認、以上。
　


　黒木さん、あなたはもう被害者と接触済みでしょ？


　どうぞ、現状報告を。」




黒木さんは不敵な瞳で挑発的に笑う。

「いいや、ここはまず、そちらから話を伺いたい。」






……何か企んでいるの？


まあ、別に構わないけど。




私は黒木さんと同じように挑発的に笑った。

「私たちの現状は、事件解決と言ったところかな？」






そう言うと、KZは驚いたように目を丸くしたんだ。

心底驚いているようで、みんなが滑稽だ。





この顔……この顔が欲しかったんだよ！




「お前ら、もう解決したのか！？」

机に身を乗り出す若武さん。





あぁ！私はKZに勝ったんだ！


あの天才チームKZに！





感動を噛み締め、思いきり言ってやった。


「もう解決？当然じゃないの？

　ノロノロとやっているから、負けるんだよ？


　団結力が足りないから遅いのかもね。」




KZはみんな悔しそうに私を睨んだ。

そんなもの、どうってことない。




そう思った私の心は、黒く染まっていた。

罪悪感　→←またね　

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