私の魔法は知っている (ページ24)

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信じたくない事実ページ24

立花「か、翔、嘘って言ってよ！！」

信じられない。

上杉君までもが、居なくなってしまうなんて。

若武「あの上杉だ！絶対にいる！居なくなったりしねぇ！」

そうだよ！！

上杉君を信じようよ！！

立花「砂原、上杉君を信じてみようよ！！」

若武「上杉が居なくなるなんて、信じれるか！」

私たちは、口々に翔をせめた。

翔にこの気持ちをわかってほしかったから。

翔は、重い口を開けた。

砂原「俺だって信じたい。」

だったら……！

そう思い、話そうとする。

けれども、砂原の声が一足先に出た。

砂原「でも、信じているだけじゃ、何も進まないんだよ。」

翔……？

砂原「現実を受け止めなきゃ、何もできないまま、終わっちまうんだよ！」

翔は大声で怒鳴った。

まるで、何かをとても悲しむよう……。

そして、その悲しみを知ってるよう……。

翔、あなたは何を知ってるの？

私の知らない、何を知ってるの？

うっ、頭が痛い……。

何かが頭の中を過ぎる……。

何……？

この景色は何？

私の目には、綺麗な景色が映った。

まるで、天使の楽園のよう。

色んな人の笑顔が見える。

幸せそうな世界。

でも、次の瞬間、真っ赤な炎に包まれた。

炎の中で聞こえる叫び声。

地獄のよう。

みんなの笑顔が消えていく。

怖い……。

みんなが一瞬で消えてく……。

立花「あぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

私は叫んだ。

それと同時に、涙をたくさん流した。

涙が止まらない。

止められない。

誰か、助けて……！

若武「おい！アーヤ！！どうした！！」

若武の声が聞こえる。

返事をしたかったが、できなかった。

叫ぶことしか、私にはできなかった。

砂原「彩が危険だ！！」

翔はそう叫び、私を優しく包み込んだ。

砂原「彩、大丈夫だ。俺がいる。」

翔が優しい声で、私に話しかけた。

でも、私は止まらない。

立花「みんな、みんな、消えてく……！ひとりぼっちは嫌なの！もう消えないで！」

私は頭を抱え込んだ。

砂原「彩はひとりぼっちじゃない。俺がいるだろ？」

翔は私に懸命に話しかける。

なぜか、少しだけ落ち着いた。

ひとりぼっちじゃないって言われたとき、とても安心した。

よく分からない。

でも、落ち着いた。

それだけはわかった。

立花「か、翔。私、1人じゃないの……？」

涙声で言う私。

砂原「あぁ、俺がいる。」

立花「良かったぁ。」

私は笑った。

若武「おい！俺を無視するな！」

若武の言葉で、私は我に戻った。