相対する世界に飛び込んだようだ。 (ページ3)

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観客の前でオープニングダンスを踊る彼ら。1人はシルクハットにステッキを持ち、司会を務めるどこか不思議な男性。私から見て左側には、さっき友人が叫んでいた白黒スーツにハートが散りばめられた＿確かジャックと呼ばれていた＿男性。唯一の女性は赤い縁のメガネをかけたスーツ姿の女性。そして、先程の彼。

時折コントめいたものも混ざりながら、どんどん進んでいくリクルーティング。その最中で、シルクハットはMr.V、メガネの女性はその助手であるスキャター、白黒スーツがジャックハートということが分かった。ショーは山場へと差し掛かり、参加型のダンスゲームが始まった。どうやら彼らと同じポーズを取ればいいらしい。Mr.V、スキャターと続き、趣旨がわかった。なるほど、お眼鏡にかなった人がリクルートされる訳か。

楽しいな、と隣の友人に声をかければ嬉しそうに頷いた。しかしゲームの区切りを迎えると、私の心情は大きく変わる。

「ストーップストップストップ。スキャター、ヴィランズに招待するのにふさわしい方を見つけたぞ」

「ミスター！こちらも良い方がいました！」

そんな会話をする彼ら。目の前にはMr.Vの姿。

「おぉ、それはそれは。ではお嬢さん、お手をどうぞ。」

「……私？」

「えぇ、貴方です」

なんか、デジャブ。

思わず隣に助けを求めれば「絶対に行け、そしてＯＫしてこい」と目で訴えてきた。ＯＫって何…。

余りの眼力に圧倒され、渋々手を出せばにこやかなMr.Vにエスコートされて観客の前へと足を進めた。その道中、めちゃくちゃ写真を撮られた気がするが、とりあえず無断流出は避けてください。別にいいけれど。

私以外のもう1人(綺麗な女性だった)と肩を並べて立っていると、肩に重みがかかった。顔を向ければ蛸の彼。そう、エイトフットのジョーだった。所々の空き時間は退屈そうな顔をしていた彼がニヤニヤと笑みを浮かべている。

＿＿＿何だこの人……人？蛸？