相対する世界に飛び込んだようだ。 (ページ16)

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「どうしてもう来ているんだMs.ヴィーラ！！！」

そう叫んだミスターに驚いていると、すぐさまもう一方から声が飛んでくる。

「あーら、来ちゃ悪いかしら？私だって新人ちゃん見たいのよ！！！」
「連絡ぐらいしたらどうだ！？」
「いいじゃないの別に！どうせ衣装の件で呼ぶつもりだったんでしょう！？」
「それはそうだが、順序があるだろう！」

とんでもない言い争いに面食らっていると「いつものことだから気にしなくていいよぉ」とスカーが言ってくれた。いつもの事なのか、これ。犬猿の仲ってやつなのか……。
広間に響く口論に終止符を打ったのはスキャターとMr.ポライトだった。

「まあまあミスター、落ち着いて！お呼びする手間省けて良かったじゃないですか！ね！？」
「あ、ああ、まあそうだが……」
「Ms.ヴィーラも！採寸する時間なくなりますよ！」
「そ、そうね……分かったわ」

助手の働きすご……。内心スタンディングオベーションしていたが、気付かぬうちに寄ってきたMs.ヴィーラにぱちくりと目を瞬かせた。

「は、初めましてユオンです……？」

戸惑いすぎて疑問形で挨拶すれば、にっこり笑った。

「ええ、初めまして。挨拶が遅れたわね、Ms.ヴィーラよ。こっちはMr.ポライト、略してMP」
「よろしくお願いしますね！」
「こちらこそ」

差し出された手を握れば、メガネの彼は嬉しそうに微笑んだ。顔が良いな。でも腹黒そう……と思っているうちに話は進み、腕を掴まれて別の部屋へと連れていかれていた。

「さて、早速採寸しちゃうわよ！アイディアが沢山湧いてくるわぁ！」
「御手柔らかにどうぞ……」

ノリノリな様子に、(ヤバい……)と冷や汗が流れた。