魚より肉派女子、見参。

５話 ページ6

次の日の放課後。言われた時間より少し早くUDIラボに着いてしまい、どうしようか悩んでいると、背後から低い声が聞こえた。

「おい。そこで何してる。」

驚いて振り向けば、眉間にシワを寄せた無造作な髪の男の人が立っていた。わぁ、イケボのイケメンだぁ、なんて巫山戯たことを思った。そんな私に怪訝そうな顔で誰だ、と聞いてくる彼が昨日いなかったことを思い出した私は簡単に自己紹介した。

「今日からバイトで入る遊喜Aです。よろしくお願いします。」

「ふーん……興味無ェ。」

自分で聞いといて……！？

なんだこいつ…！と拳を握りしめて思った。邪魔だと舌打ちをしながら入っていったその後ろ姿に小さく舌打ちしながら、私もラボの中に入っていった。

「あ、遊喜さん。こんにちは。」

「こんにちは。お疲れ様です、神倉さん。」

「遊喜ちゃーん、お疲れ〜。」

「お疲れ様〜。」

「東海林さん、三澄さんもお疲れ様です。」

適度に挨拶をしながら神倉さんに仕事の説明を受けた。とりあえずは補佐的なことや久部さんみたいに記録員、あとは掃除とからしい。聞いたことをメモし終えると「中堂さん！紹介しますね。」という東海林さんの声とともに突如体を方向転換させられた。

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