2．忍び寄る影 ページ9
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＿＿＿＿前触れもなく、彼の云った"後日"は訪れた。
閉店時間になった為、軒先の灯りを消して『準備中』の札を掛けた。
閉店後の小さな楽しみ。
それは薫さんが淹れてくれた温かいお茶を飲みながら、雑談に花を咲かせること。今日も変わらず、カップを手にカウンター越しに話していた。
……何の変哲もない日常の一部だとしても、私にとっては幸せで。この細やかさが私には丁度良かった。
話し始めてから少し時間が経ち、会話が蕾から花へと変わった頃。
コンコンッと扉を叩く音がした。
突然の音に、2人揃って肩を揺らす。
「あら誰かしら？札が出ているはずなんだけど…」
「薫さんは奥にいて。私が行きます」
いざとなったら逃げてください、と薫さんに目線を走らせる。
そして鍵を開け、一気に扉を引く。直ぐに一歩下がって臨戦態勢をとったが………警戒は杞憂に終わった。
「こんばんは。数日ぶりですね」
「…どうも。まさか本当にいらっしゃるとは思っていませんでした」
私の吐く悪態をにこやかにスルーするのは、先日もいらっしゃった条野さん。
隣は鐵腸さん…ではなく、髭が特徴的な貫禄のあるおじ様が立っていた。
何時までも此処でこうしていては、薫さんの心臓が持たないので渋々中へ通す。
「薫さん、大丈夫でした。怪しい方々ではありません」
「あ、あぁ。ッて前に来た警察の方じゃないか！何かあったのかい？」
「少しAさんにお話がありまして」
条野さんが私の後ろからひょこりと顔を覗かせると、薫さんは彼を見つめた。
私には向けたことのない、険しい表情だった。
「…Aちゃんに何かしたら、ただじゃ置かないからね」
そう云って私には優しい笑みを向けると、居住スペースである二階へ上がっていった。
気を使って席を外してくれた薫さんに感謝しながら、代わりにお茶を湯呑に淹れて、既に座る二人の前に置いた。
「良い方ですね」
「えぇ本当に。……御託は宜しいので、本題をどうぞ」
あからさまに不機嫌な態度を表に出しながらおじ様に視線を向けると、おじ様はｶｶｯと豪快な嗤い声を上げた。
「隊長、五月蠅いです」
「すまんすまん。此処まで威勢のいいお嬢さんだとは思わなくてな」
私や条野さんの鋭い視線を浴びながら一頻り笑ったおじ様は、直ぐに真面目な顔に戻った。
威圧すらも漂う厳格な雰囲気に、ひたりと冷や汗が背を伝う。
「さて。貴君のお望み通り、本題に入るとするかのぅ」
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オタク - コメント失礼します！まだ一編目しか読めてませんが、すでに沼にはまってます！！言葉選びとか、キャラの口調をしっかりとらえてるところももう、すごくいいです！素敵な作品をありがとうございます！二、三弾目もじっくり楽しみながら読ませていただきます！ (10月15日 6時) (
レス) @page50 id: 7a68ba3320 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ショートケーキの赤いヤツさん» 同じく刺さってます笑、彼のS属性（笑）を薄っすらと出しつつグイグイ行って貰おうと思います！これからも宜しくお願いします(*^^*) (2021年8月21日 23時) (レス) id: 64577bab6f (このIDを非表示/違反報告)
ショートケーキの赤いヤツ - 条野さんのS感ヤバいですよね……刺さる←条野さんが推しなので更新楽しみにしています！ (2021年8月21日 16時) (レス) id: 0727e3cb02 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うり太郎さん» コメント有り難う御座います！そう云って頂けて嬉しいです(*´ω｀*)更新途中ですが続編も是非宜しくお願いします！も (2021年8月21日 0時) (レス) id: 64577bab6f (このIDを非表示/違反報告)
うり太郎(プロフ) - ヤバい･･････!尊い･･････!こんな神作品を作れる作者様マジでリスペクトします!!今読み途中なんで今すぐ続き行ってきます┗(^o^ )┓三 (2021年8月19日 23時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2021年1月7日 23時
