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窓越しに、太陽の温かな日差しが照らす廊下。
柔らかな色をしたフローリングを、鐵腸さんの手を借りながら歩いていた。
「そうですね……、甘味なら
「基本は何でも好むが、最近食べた
「
「あぁ。めんつゆをかけて、美味しく頂いた」
「め、めんつゆ……!?」
驚いて顔を上げれば、鐵腸さんは不思議そうな表情だった。
宛ら、何か可笑しな事でも?というような。え、もしかして……私が違うの?
「因みに、ご飯には何をかけますか?」
「?砂糖」
「ゆ、茹で卵は……?」
「殻ごと食べる」
思わず空いてる手で頭を抱えてしまった。
端正なお顔でとんでもない事を云ってらっしゃる。。。
けれど、純粋そのものの綺麗な瞳に、一般論を突き付ける気にはならなかった。
「ん?どうした、A」
「___"どうした"ではありませんよ。見なさい、貴方のせいで此処の空気が混沌と化しています」
後方から呆れたような、少々苛立ちも含まれた声が聞こえた。
鐵腸さんは手を離した代わりに私の肩を抱き、ゆっくりと振り返らせてくれる。
私たちが通った廊下の少し先で、顔を顰めた条野さんが腕組みをして立っていた。
「Aさんも、反応に困っていますよ」
「そうなのか?A」
「あ、あはは……」
苦笑してみせれば、コテンと首を傾げた鐵腸さん。
頭上に
「それで、お二人は何故此処に?」
「部屋に帰るAを、俺が送っていた処だ」
鐵腸さんは「ふッ」と謎のドヤ顔をして嗤った。
そして、私の肩をさらに抱き寄せ、空いている手で頭を撫でる。
条野さんとはまた違い、少々乱暴さはあるものの温かくて、心地いい。
「……あァ、今すぐ殺したい」
条野さんは心底嫌そうに顔を顰め、腰に帯刀していた軍刀の鍔に手をかけている。
大胆な殺害予告はまぁいいとして(←)、抜刀するのは不味いのでは…?
冗談な気がしていても、仲裁せずにはいられなかった。
「ま、まぁまぁ」
鐵腸さんの腕から抜け出し、真っ黒い笑みを浮かべる彼との間へ恐る恐る足を進める。
「お二人とも、落ち着いてッ……!?」
「ちょ、Aさんッ…!?」
「Aッ!」
〇
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オタク - コメント失礼します!まだ一編目しか読めてませんが、すでに沼にはまってます!!言葉選びとか、キャラの口調をしっかりとらえてるところももう、すごくいいです!素敵な作品をありがとうございます!二、三弾目もじっくり楽しみながら読ませていただきます! (10月15日 6時) (レス) @page50 id: 7a68ba3320 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ショートケーキの赤いヤツさん» 同じく刺さってます笑、彼のS属性(笑)を薄っすらと出しつつグイグイ行って貰おうと思います!これからも宜しくお願いします(*^^*) (2021年8月21日 23時) (レス) id: 64577bab6f (このIDを非表示/違反報告)
ショートケーキの赤いヤツ - 条野さんのS感ヤバいですよね……刺さる←条野さんが推しなので更新楽しみにしています! (2021年8月21日 16時) (レス) id: 0727e3cb02 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - うり太郎さん» コメント有り難う御座います!そう云って頂けて嬉しいです(*´ω`*)更新途中ですが続編も是非宜しくお願いします!も (2021年8月21日 0時) (レス) id: 64577bab6f (このIDを非表示/違反報告)
うり太郎(プロフ) - ヤバい・・・・・・!尊い・・・・・・!こんな神作品を作れる作者様マジでリスペクトします!!今読み途中なんで今すぐ続き行ってきます┗(^o^ )┓三 (2021年8月19日 23時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2021年1月7日 23時