CLUB

FLOOR10@F ページ10

せっかく2人なのになんでこんな言葉しか出てこなかったんだろう。
もっと他にあんだろ、もっとましなやつ。


K『あー、あー、うんそだね〜変わったんかも。』なんて笑いながら返してくるから、切なくなった。


F『言ってくれれば良かったのに』

自分で言ってて意味わかんねぇ、
言われたらはいそーですかってなんのかよ。
バカじゃん俺、もっとましな返しあっただろ、、。
でも余裕ぶって少し意地悪く笑顔で言う。


K『ははっ！じゃあ次から言うわ(笑)』


また一つ、どこかが壊れる音がした。
余裕なんかないくせに、、、だからこうなるんだ。
はぁ〜。ほんと自分から傷付きに行ってどうすんだよ。


K『昨日はどーだったの？あの後、、、』


そんなにタイプだったんだあの子
そんな気になんの？

後の事聞いて、俺が何もしてなかったら、、、


北山は、、、



あの子に笑顔向けるの？
ヤだよ。
そんなの。





F『あー、んーっと、まあ、、、』



ス『北山さーん！藤ヶ谷さーん！』




2人を遮る声が聞こえた。


俺今どんな顔してる？
声震えてない？
ちゃんといつもみたいにポーカーフェイス？








動揺して心が悲鳴をあげている。
どうかばれないで。









先に歩いて行く北山を見ながら


俺は

行かないで
どこにも



なんて叶わない想いを小さく口にした。









俺が抱く北山への想いが
大きくなりすぎて自分でも止められない。



常にピンと張ったままの理性の糸。
もう、、、切れてしまいそう。


当たって粉々に砕け散ってしまいたい。
楽になりたい。

このままずっと自分の気持ちを隠すより
いっそ言って、軽蔑されてもう本当に近付けないようになれば、、、。









K『ふじがーや！どしたの？行くよ！』






ダメだ。
北山にもメンバーにも迷惑はかけられない。









今日もまたどうしようもない気持ちを隠す。









ごめん、北山。
この気持ちを隠すかわりに
歪んだ想いをぶつけてしまうんだ。





ごめん、なさい。

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