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鴎外 「すまないねえ。起き上がってくれるかい?・・・・そうそう。じゃあ、包帯外すよ。」
包帯の所為か。
A 『あの、包帯外しました?』
鴎外 「ああ、外したよ。相変わらずきれいな瞳の色だ。・・・少し光が少なくなってしまった印象もあるけどね。」
・・・。
A 『あの、大変云いにくいのですが、見えませんね。ぼんやりと、電気がついているかどうかわかるくらいです。』
全員 「え!?」
あ、やっぱり紅葉姐さんと中也居る。
A 『煩いです。紅葉姐さんはいいですが、中也は居るなら居るといってください。』
太宰 「本当に見えないのかい!?・・・後、呼び方戻してよ。しっくりこないし、私そんなに怒ってないから。」
ペリッと聞こえる何かをはがす音。
怒ってないなんてウソつき。
A 『さあ?何かをはがした音が聞こえたので、兄ちゃんがガーゼをはがしたと思います。街は、さっぱりですね。雨に濡れた廃線、煤けた病棟、並んだ送電塔、夕暮れのバス停、止まったままの観覧車、それと机に咲く花も見えませんね。』
紅葉 「例えが独特じゃの。」
中也 「口調も戻ってくると話しやすいんだが。」
はぁ。
A 『みんなボクにどうしろって?たぶん足は左足骨折、右足捻挫。立てないね。それに部屋といても目が見えないからまっすぐ歩けないよ。』
まっすぐ歩けないとかそういうレベルじゃないと思うけど。
車椅子は、ない。だってボク一人の為に車椅子とか。勿体ない。
太宰 「それならもう決めてあるのだよ。」
決めてあるって言われましても。
鴎外 「太宰君?私は聞いてないよ?」
太宰 「大丈夫です。私がAを抱いて連れて行けばいいですから。」
え゛?
A 『兄、ちゃん?』
太宰 「いいだろう?A。」
あーはい。拒否権ないね、ボク。
A 『兄ちゃんがどうしてもというならいいけど、この手枷、足枷は?』
ジャラ、と音を鳴らしてみる。うーん。中々に煩い。
太宰 「じゃあ、どうしても。これは、、、。」
直後、ジャラッと大きな金属音がした。それと同時に、手と足が軽くなった感覚がした。
A 『うっ!』
音大きい。耳元で怒鳴られたら気絶するね。
鴎外 「太宰君!?」
耳元で声がした。兄ちゃんが耳を塞いでくれたから良かったけど。
A 『首領、煩い。』
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「 」 - お判りいただけてうれしいです。そうなんです、ところどころに歌詞が入っていたり、歌詞に似た言葉が入っていたり...。暇があったなら探してみるのもいいかもしれません。 (2019年12月11日 15時) (レス) id: 43b82fbd6e (このIDを非表示/違反報告)
しり - 誰かの心臓になれたなら、ですよね!歌詞が入ってます! (2019年12月11日 1時) (レス) id: b21ae34836 (このIDを非表示/違反報告)
「 」 - まゆさん» コメントをいただき、ありがとうございます。時間があまり無いので、更新が遅いですが、出来る限り頑張っていきます。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: d2a4aee116 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年9月27日 13時) (レス) id: b085d94187 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年8月14日 12時