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中也 「太宰、Aが手前のことを......。」
先の話なんてどうでもいい。Aが、私を嫌っている?
鴎外 「A君は助けを求めていない?」
それはあり得ない。
織田作「いや、お言葉ですが首領、Aは助けを求めています。」
ジイド「ダザイ、考えてみればわかるだろ。」
織田作「Aの言葉は徳冨の口から発されたもの。本当にAが発したとは考えにくい。」
それならば。
紅葉 「何故助けを求めていると判るのじゃ?」
織田作は少し溜めてから云った。
織田作「太宰、Aは何時も何と呼んでいる?」
ッ!
太宰 「私の機嫌を直すときは兄ちゃん。Aの機嫌が悪いときは兄さんだね。」
そうか、そういうことか。
ジイド「この中でAがお兄ちゃんと呼んだことがあるのを見たものは?」
私は聞いたことがないね。
広津 「ない、ですね。」
中也 「俺もねえな。太宰と間違われたときは兄ちゃん、だ。」
中也と私を間違えた?後でAに聞いてみよう。
鴎外 「ではどこにA君がいると思うのかい?助けを求めているのなら助けに行こう。向こうから奪い取っても、元々は私達のA君だ。」
首領は何処からか出したヨコハマの地図を机の上に広げた。
するとガチャ。と音を立て、誰かが入ってきた。
? 「紅葉さんが答えを導き出した途端に録音音声の電話。ならば、この部屋は監視されていると考えたほうが良いでしょう。カーテンを閉めて、盗聴器などが設置されていないか確認してから作戦を考えたほうがいいと思います。」
扉のほうを見ると、安吾がいた。
中也 「げ。教授眼鏡。」
太宰 「ヤァ、安吾!話は聞いたかい?ぜひ安吾の話も聞きたいな。・・・特務課として。」
安吾は顔をしかめた。
今でも織田作を死に至らしめようとしたことは忘れない。だから私は安吾と少し険悪なのだ。
安吾 「太宰君のそういうところは嫌いです。・・・特務課としては毎度のことながら無視を決め込んだようです。徳冨蘆花が率いるホトトギスはどうやら探偵社の人と関わりがあるようなので。」
うかつに手は出せない、か。
芥川 「太宰さん、盗聴器を見つけました。これですべてかと。」
樋口 「カメラはないので、外からの監視だと思われます。」
芥川君は羅生門でワイヤレスイヤホンほどの大きさのものを十個ほど持っていた。
太宰 「ご苦労様、二人とも。」
芥川 「ッ。はいっ。」
ところで探偵社の誰がホトトギス関わりががあるのだろう。
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「 」 - お判りいただけてうれしいです。そうなんです、ところどころに歌詞が入っていたり、歌詞に似た言葉が入っていたり...。暇があったなら探してみるのもいいかもしれません。 (2019年12月11日 15時) (レス) id: 43b82fbd6e (このIDを非表示/違反報告)
しり - 誰かの心臓になれたなら、ですよね!歌詞が入ってます! (2019年12月11日 1時) (レス) id: b21ae34836 (このIDを非表示/違反報告)
「 」 - まゆさん» コメントをいただき、ありがとうございます。時間があまり無いので、更新が遅いですが、出来る限り頑張っていきます。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: d2a4aee116 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年9月27日 13時) (レス) id: b085d94187 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年8月14日 12時