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A 『ッ!』

視界の端に見えた、いつもと変わらない姿の中也。
でも、今日はその手に中也にしては見慣れないものを持っている。

銃だ。

そしてその銃口は、佳音ちゃんに向いている。

いつも銃なんて中也は使わないのに――――

 A 『佳音ちゃん、危ないっ!』

 佳音 「来るなA!」

嗚呼、佳音ちゃん、どうしてそんなに悲しい顔をするの?ボクは唯、君を救いたいだけなのに。

佳音ちゃんをどけた途端、耳元でとてつもなく大きな音がした。パンっと。
大きな音、嫌いなのに。

こんな銃撃戦の中で、ボクはどうして眠いと感じるの?

 佳音 「Aだけが、私にはない良いモノを持ってた。どうしてっ、お前だけが殺されないんだよ!」


佳音ちゃん、落ち着いて。大丈夫、ボクは佳音ちゃんの近くにいるよ?



ボクの耳を震えさせる叫び声と、目の前に広がる銃撃戦、その奥に広がる赤い月を眺めながら、ボクの意識は深い夜の闇に飲まれていった。






---------------------
 佳音 「ずっと前からお前のことが嫌いだった。お前と一緒に居れば、いつ処分されるかわからないこの闇にずっと居れると思った。それに、ポートマフィアをお前が抜ければ、お前への五大幹部の執着は少しは黒服にも見せてくれるかと思ったから、作戦に協力した。分からなかったのか?私はお前を今までずっとだましてたんだよ。だけど結果はこのザマ。お前も殺されると見込んでたのに、どうしてお前だけが殺されないように指示されたんだよ!お前だけがどうして生き残るんだよ!・・・・・・・さっさと死ねばいいのに。」

暗闇には、行動を共にした少数の黒服と、佳音ちゃんが立っていた。

 A 『でも、ボクはっ!』

みんなボクに背を向け、歩いていく。

 A 『待ってよ!待って!佳音ちゃん!佳音!』

目を覚ますけど、そこは先ほどと同じ暗闇。
夢だったらしい。ボクは上半身を起こして、前に手を伸ばしていた。


チリンッ

A 『うっ!』

耳元で超特大の鈴の音がした。思わず耳をふさぎたくなるが、手枷だろうか?手が耳のところまで上がらない。
耳を塞ごうと、体を前に倒す。

チリンッ チリチリンッ


またしても超特大の音が耳に響き、音に弱いボクは暗闇の中にまた飲まれていった。

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「 」 - お判りいただけてうれしいです。そうなんです、ところどころに歌詞が入っていたり、歌詞に似た言葉が入っていたり...。暇があったなら探してみるのもいいかもしれません。 (2019年12月11日 15時) (レス) id: 43b82fbd6e (このIDを非表示/違反報告)
しり - 誰かの心臓になれたなら、ですよね!歌詞が入ってます! (2019年12月11日 1時) (レス) id: b21ae34836 (このIDを非表示/違反報告)
「 」 - まゆさん» コメントをいただき、ありがとうございます。時間があまり無いので、更新が遅いですが、出来る限り頑張っていきます。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: d2a4aee116 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年9月27日 13時) (レス) id: b085d94187 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2019年8月14日 12時

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