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「本来ならば指名された事務所の中なら、自由に選べた職場体験先。それが君だけ学校側からの介入があった。学校側から大丈夫だと判断され君は今、この事務所にいる。その意味…勿論分かっているね？」
「………はい。私がヴィラン予備軍となる可能性がある、危険な生徒だという判断をされている自覚はあります」
「そうだな。そこに関しては否定しない。それを踏まえた上で聞こうか、君のヒーロー名を」
「………私のヒーロー名は、カミツレです」
「なるほど、花言葉か。随分と洒落たことをするんだな」
………ここまで会話しておいてAが思ったことは、この人はあまりAに対して矯正する気はないんじゃないか？というちょっとした困惑だった。
明らかに爆豪に対して向けていた視線と違う、それでも見定める視線とも違う……どちらかと言うと、確認をするように見る視線だった。
「何故、このヒーロー名にした？」と聞かれたので、Aは話し始める。
「カミツレの花言葉は、『逆境に立ち向かう』です。ヒーローとして活動していく中は勿論、それ以外でも色んな苦難が待っていると思います。その場面に出会った時、私は前を向いて進む。例えどんなに苦しくても、前に進み、立ち向かう。その意思表示をヒーロー名でしました」
「……母親とは、違うと」
「はい。どんなにゆっくりでも、前に向かって歩くことだけは、絶対にやめません」
「…………そうか」
ふわり、ベストジーニストが笑ったような気がした。少なくとも目が優しげに細められた気がする。
なんで？？？とAが頭でハテナを浮かべていると、ベストジーニストがサイドキック達に「プランEを」と指示を出す。
急にバタバタとサイドキックが動き出す中、Aはベストジーニストから職場体験中の予定が細かく書かれているプリントを貰った。
「………爆豪くんとは、あまり一緒にいないんですね」
「あぁ、彼には矯正が必須だが、君にはいらないと判断した」
「えっ」
「そのため彼とは別プランの職場体験の内容となる。時間をなるべく分けて、1人ずつ見る時間を確保したい。君は特に朝早くから来ることになるが……大丈夫だな？」
「はい」
「朝ごはんはこっちで用意するから、君は朝準備したらそのまま事務所においで」
「ありがとうございます」
ヴィランの娘だと言うのに、まさか矯正いらないと言われるとは思わなかった。
一体何をどう判断したのか、Aにはさっぱり分からなかったが。
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鬼龍炎(プロフ) - 続き楽しみにしてます！展開が楽しみです！ (2020年11月12日 1時) (
レス) id: 7c87da37ca (このIDを非表示/違反報告)
マキャベリ - 楽しみにしてます！面白かったです！ (2020年11月2日 14時) (レス) id: 303ab2eb20 (このIDを非表示/違反報告)
nightmare - 見てて、楽しかったです。これからも更新を楽しみに待ってます！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 97bb721bbe (このIDを非表示/違反報告)
ママリりすす(プロフ) - ありがとうございました (2020年10月24日 1時) (レス) id: ec99ffd70c (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 展開面白かったです！これからも更新楽しみに待ってます！！ (2020年10月19日 18時) (レス) id: 0a962740d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月19日 12時
