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準決勝を思い返せば、様々な反省点が思い浮かんでくる。
まず、Aは個性を使える限界を常に計算していたが、まさかそれよりも先に体力の方が限界に達しそうになるとは思ってもみなかった。
今考えれば、障害物競走では4キロも走り、騎馬戦では個性を使用しながら騎馬を務めた。昼休みに休憩をしたとはいえ、知らず知らずのうちに疲労が蓄積されて、それが準決勝で一気に体にのしかかってきた。
『もし万全の状態だったら』と思い返すと、もう少し動けたのかなとも思う。
体力面での課題が残った。
次に、精神的な疲労。Aは幻覚を再現する時、どの位置にどの程度のどんなものを使うなどといったことを瞬時に判断してそれを具現化させる。
つまり、幻覚という個性は想像以上に頭を使うのだ。
準決勝での試合中は特に何も感じなかったが、終わってからの集中力がガタ落ちしている。
試合が終わった後にミッドナイトから話しかけられたのに気づかなかったのだから、相当だろう。
精神面での課題が残った。
他にも……と考えれば、いくつも思い浮かぶ。アピールすることにこだわりすぎたかもしれないとか、ここでの判断はこうした方が良かったとか。
「全く、女の子相手にここまで怪我をさせるか……」
「あはは、こんなにもボロボロだとは思いませんでしたよ」
「本当だよ、それほどまで力を出させたという意味では、いいのかもしれないけどねぇ……」
「はい………楽しかったです。あの試合をやれて、良かったです」
たくさん反省するところは思い浮かぶ。
でもそれ以上に、楽しかった。
あの観客達の興奮する歓声や熱意、それが今でも鮮明に残っている。
あの場で、1体1だとAよりも上の実力を持つだろう轟と、本気で戦えた。その経験が何よりも嬉しかった。
リカバリーガールに怪我を治してもらいながら、Aは疲れた顔でも満面の笑みだった。火傷や切り傷はあちらこちらにあるけど、そんなものはいつか治るのだから。
………最後に背中を強打したのは未だにズキズキと痛むけど……
「……アンタ、良い顔をするようになったね」
「……え？なにか違いますか？」
「全然違うさ。良かったね」
「………はい」
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さくらもち(プロフ) - 夢桜さん» 感想ありがとうございます。体育祭での準決勝は、何度も頭の中でシュミレーションしながら文を考えたので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！お気に入りもありがとうございます！ (2020年10月19日 12時) (
レス) id: ab0ed3cc07 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - ご感想失礼します。吉澤ちゃんが轟戦でWonderlandと叫んだ瞬間と、その個性の威力にとても驚きました！！戦闘シーンも分かりやすくそんな模写が頭を過ぎって凄い凄いと語彙力が飛んでしまいました……！お気に入り失礼します。これからも無理せず頑張ってください！！ (2020年10月18日 10時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月14日 7時
