７５Another side ページ29
side：Izuku Midoriya
今まで、凄い個性なのにそれが伝わりにくかった吉澤さん。
彼女の紹介シーンではロボットでの移動するところばかり取り上げられていて、本人も気にしていた部分。
きっと、観客も彼女にはパフォーマンスを求めていなかっただろう。それはクラスメイトのA組のみんなも同じ。
どうしても、彼女が出る試合は盛り上がりに欠けていた。
それがどうだ！このどこかのお城のスタジアムのような空間に変えたのは彼女の個性だ。
イマイチ彼女がとんでもない逸材だと理解出来ていなかったプロヒーロー含めた観客からは、それはもう今日1番と言ってもいいほどの歓声と拍手、ほとんどの人がスタンディングオベーションをしていた。
観客が立ち上がるなんて、今までの試合ではなかった。それだけ彼女の個性が『奇跡』を見せているということなのだ。
『吉澤、ここに来て観客に対しての盛大なサプライズ！！！これが、吉澤Aの本気だーーー！！！』
『おい、こんなことして大丈夫なのか』
相澤先生が心配するのも分かる。こんなの、普通はありえない。どれほどの力を使えば、このスタジアムの観客全員に見せる幻覚を使えるというのか。
だから、彼女はここ1番という時に使いたかったのだろう。
「………おい、吉澤。この服はなんだ……！」
「？！」
マイクをつけている訳でもないのに、轟くんの声が観客席まで聞こえてきた。その姿に至る所で見ていた女性から歓喜の悲鳴が上がる。
「何あれ！！轟くんかっこいい！！！」
「めっちゃ似合ってるんだけど？！」
「まぁ、凄いわ、轟ちゃんじゃないと着こなせないわね」
ロイヤルブルーロングコートは、袖がふわりと揺れている。よくよく見れば白で薔薇の花やトランプなどといった装飾がされている。
シャツもところどころゴールドで装飾されていて、赤く真ん中に緑の宝石のようなものが付いたリボンを首に巻いている。
ズボンは白のようだが、見方によれば少しだけ青みがかった色のようにも見える。
そして、赤みがかった茶色のロングブーツ。
全体的に見てもかなり豪華で、それを身にまとっている轟くんはどこからどう見ても絵本から飛び出してきた王子様にしか見えない。
「轟くん、わかっていたけどやっぱり似合うね」
「そんなこと聞いてんじゃねぇよ……！」
するとどこからか吉澤さんの声も聞こえてきた。どこにいるのかと目で探していると、また一際大きな歓声が上がった。
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さくらもち(プロフ) - 夢桜さん» 感想ありがとうございます。体育祭での準決勝は、何度も頭の中でシュミレーションしながら文を考えたので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！お気に入りもありがとうございます！ (2020年10月19日 12時) (
レス) id: ab0ed3cc07 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - ご感想失礼します。吉澤ちゃんが轟戦でWonderlandと叫んだ瞬間と、その個性の威力にとても驚きました！！戦闘シーンも分かりやすくそんな模写が頭を過ぎって凄い凄いと語彙力が飛んでしまいました……！お気に入り失礼します。これからも無理せず頑張ってください！！ (2020年10月18日 10時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月14日 7時
