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『残り時間1分ーー！！！轟、フィールドを氷結で囲い、即1000万ダーーーッシュ！！！！
………とか思ってたよ5分前までは！！！
緑谷、なんとこの狭い空間を5分間逃げ切っているーーー！！！！』
このまま上手くいくという考えは、甘かった。
どうやらA達が思っていた以上に緑谷チーム……いや、おそらく緑谷があのチームの頭脳だろう。彼は作戦を練るのがかなり上手いようだ。考察とかが得意なのだろう。
それに……おそらくだけど、轟が左側の炎を使わないって決めているのもバレていると思う。じゃなかったら5分間も膠着状態が続くわけが無い。
常に距離を置いて左側にいるように緑谷チームは動いている。
これだとAの視界に緑谷チームが入らず、攻撃が出来ない。ガムシャラに攻撃するのは個性の無駄使いとなる。
それに、位置的に轟が最短で氷結させようとすれば、飯田までもを凍りつかせることになる。つまり、無闇な氷結は轟チームの首を絞めることになる。
故に、あれから5分間も睨み合っている時間が続いた。
どうすればいい、何か、何か方法は……！
Aは頭の中で考えるが、緑谷チームの状況が見えない以上、Aが何か出来ることは無い。せいぜい背後から狙ってきそうなチームを追い払うことくらいだ。
「轟くん八百万くん、それに吉澤くん。残り１分弱……この後俺は使えなくなる」
「飯田？」
「頼んだぞ」
だが、残り僅かな時間となった時、状況が動き出そうとしていた。
「奪れよ轟くん！」
飯田のエンジンが一際大きな音を立てて回転を始め、咄嗟にAは飯田の肩と手を強く握った。
「レシプロバースト！！！」
次の瞬間、何が起こったのか……Aには分からなかった。
とにかく必死に飯田を掴んでいたのは分かったが、それ以外を見る余裕がなかった。
ただ……止まった時に、轟の手の中にあるハチマキを見て、あの中で反射的にハチマキを、1000万を轟が取ったのは分かった。
『なーーー！！！！何が起きた？！？！速っ速ーーー！！！飯田 そんな超加速があるんなら予選で見せろよーーー！！！！！』
「飯田！何だ今の………』
「トルクと回転数を無理矢理上げ爆発力を生んだのだ、反動でしばらくエンストするがな。クラスメートにはまだ教えていない裏技さ」
「言ったろ緑谷くん！君に挑戦すると！！」
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作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月9日 9時
