ヴィラン個性でもヒーローになりたい…？ (ページ40)

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『後方で大爆発！？何だあの威力！？故意か偶然か！A組緑谷、爆風で猛追―――！っつーか！！！抜いたああああああああぁぁぁ！！！！！』

第3関門を必死に走っていると、後方から地雷の規模としては大きすぎる爆発が起こった。
は？？？と思った次の瞬間、空を飛ぶ何かがAの頭の上を通り抜けていった。

「えええーーー！？いい今の、デクくん？！」

「え、今の緑谷くんだったんだ……」

そのままお空を飛んでいる緑谷は、前にいる先頭集団……轟と爆豪に追いついたと思ったら、なんかまた爆発してさらにお空を飛んでいた。
行動力が凄すぎてもうありきたりな言葉しか出ないけど、ヤバいな。

『緑谷間髪入れず後続妨害！地雷原即クリア！！』

「デクくんホンマに凄いな！！！」

「私達も負けてられないね」

「うん！行こう、Aちゃん！」

順位的にはおそらく10位代だろうからこのまま行けば確実に予選を通過出来るだろう。
もう少し、もう少し！と麗日と言い合いながら第3関門をようやく抜けた。
目で確認しながら地雷を避けて行ったから、何だか目がものすごく疲れた気がする。

そのまま麗日と共に最後のトンネルに入ったところでプレゼントマイクが最初のゴールした生徒の名前を発表した。

『さァさァ序盤の展開から誰が予想出来た！？今一番にスタジアムへ還ってきたその男
―――……緑谷出久の存在を！！！！！』

1番初めの予選だというのに、これ下手な映画よりも見応えあるんじゃないの…？なんて馬鹿なことを考えていると、ようやくゴールのスタジアムが見えてきて、Aは麗日のすぐ後でゴールした。

「……16位？ウチ16位やったわ！Aちゃんは？」

「連番で17位だよ。最後も割と色んな人と固まってゴールした気がしたけど、無事麗日さんの次にゴール出来たみたい」

「そっかぁ……！2人共無事に予選第1試合、通過出来て良かったぁ……！」

「第2関門らへんからは特にお互い苦労したよね……」

「ホントだよー！……あ、デクくんだ」

「話しかけに行く？」

「うん！ちょっと行ってくるね！」

「行ってらっしゃい」

麗日と別れてから、Aはもう一度自分の順位を確認した。

17位。

正直、かなり不利な競技だったけど……自分なりに結構頑張れたのではないだろうか。

次々とゴールしていく生徒を眺めながら、ようやく一息つくことが出来た。