ヴィラン個性でもヒーローになりたい…？ (ページ38)

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先頭集団の中に初めからいたので、後ろから聞こえる押し合いのようにはなってないが、出来る限りの猛ダッシュをしなければすぐに後ろに巻き込まれてしまうので、気を抜くことは出来なかった。

「ってぇー！！何だ凍った！！動けん！！」

「寒みー！！」

「んのヤロォォォ！！」
　

そして遂に轟が動いた。
地面と共に後続の生徒達の足をまきこみ凍らせ、動きを封じる。
Aはすぐ目の前に轟の姿を見えていたので、どのように動くのかをすぐに判断して避ける事に成功していた。

　
「悪いな…ここが最初の篩だ」

「なら私もここで動こうか！」

そう言うとAはすぐ後ろの生徒見える範囲全員に対して幻覚を使用した。
内容は『目の前に分厚い氷の壁が現れる』というもの。

「な、なんだァ？！」

「ちょ、止まれー！！！」

見えないため全員に幻覚をかけることは出来なかったが、前の生徒が足を止めたことにより更に後ろはどんどんパニックになるだろう。

後ろの様子を確認することなく、Aは上位でトンネルを抜けられた。

『さーて、実況してくぜ！解説アーユーレディ！？ミイラマン！！』

『無理矢理呼んだんだろが』

どうやら実況解説席にはプレゼントマイクと相澤先生がいるらしい。
いや、相澤先生は明らかに不機嫌丸出しなのだが。

『さぁいきなり障害物だ！まずは手始め……第一関門！ロボ･インフェルノ！！！』

Aが第1関門にたどり着いた時、その目の前には巨大なロボットが行く手を阻むように立ち塞いでいた。

「入試ん時の0Ｐ敵じゃねえか！！」

「マジか！ヒーロー科あんなんと戦ったの！？」

生徒達の前に立ちはだかったロボットは、一般入試に出てきたらしい。
轟がロボットを凍らせた後に続こうとした生徒達が、崩れたロボットを前に逆戻りするのをAは目にした。

他にも、ロボットの警戒範囲内に入った生徒に攻撃をするのを見て、ヒーロー科の生徒でも一度足を止めてしまっていた。

その中でAは迷わず走り出した。

「視覚やらで生徒を認識しているということは……幻覚を使えるってことでしょ！」

Aはその場にいるロボット全てに幻覚を使用した。
内容は勿論『Aを認識しない』、そして『今以上に暴れる』ように誘導した。

そして1つのロボットに近づいたAは、その足の部分に乗る。

「よし、出発！」