ヴィラン個性でもヒーローになりたい…？ (ページ34)

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《前回の補足》

理由がどうであれ、クラスの前に大勢の人がいて道を塞いでいる状況なら、流石に教師から注意されるのでは無いか？と作者は思いました。

少なくとも教室の外に出たかったAからしたら、それは迷惑行為でしかなく、「これってどうなの？やっていい事なの？」とAは疑問に感じた＆若干腹が立ったため、相澤先生に報告しました。

後、ヴィラン襲撃についてはおそらく、A組の生徒達には守秘義務として周りに話す事は禁じられているはず……だと作者は思っています。
それを聞きに来るというのも、やはり注意対象になるのではないかと思いました。

───

次の日から2週間、体育祭に向けた準備期間が始まった。4月の後半をまるまる潰して、各自がそれぞれの準備を行う。
もちろんそれはAにも当てはまることだった。

ただ、2週間という期間はかなり短い。
あれもこれも……とやっていられる訳では無いため、重点を置いて訓練をした方が良いとAは判断した。

「となると、やっぱりアピール方法か……」

1番いいのはAの幻覚を、戦っている対戦相手は勿論、見ている人もしっかりと見えている事だ。
ただ、雄英高校の体育祭ほどの規模の観客の人数に対して一斉に個性を使用したことがない。

故に、上手くいかない可能性もあるのだ。
だからこそそれを確実に出来る方法を探らないといけないのだが……

「やっぱりネックになるのは人数だよね……一体何人までなら一斉に個性をかけられるんだろう」

2桁までなら確実に出来る。だけど雄英体育祭に来る人は12万人程。桁が違いすぎる。

「いや待てよ？今までは『人』にかけることを前提としていたけど、それを『場所』……つまり『範囲』でかけることは出来ないかな。1つの空間を覆うように幻覚をかけられたら……あまりにも無謀？でも、やってみないと始まらないよね……」

少しだけヒントが見えてきた。
2週間で仕上げるには中々厳しい課題だけど、これが出来るようになれば、かなりのレベルアップが期待できる。

Aは2週間の予定を立てて、すぐに特訓を始めた。