第二十四話 こんな夢をみた ページ28
不思議な夢を見た。
“僕”がショウタと言う名の男子である、という夢だ。
ショウタはごく一般的な男子高校生だった。
しかもその夢の世界では魔法というのはフィクションのおとぎ話のような存在らしい。
つまり、魔法が存在しない世界。
なのに科学は発展していて、移動は色んな機械を使っていた。
ショウタ、“僕”の両親は優しくて、姉は厳しかったけど面白い人だった。
夢の中では私はそのショウタであり、ニホンという国に住んでいて、夢の中で暮らしている時は何の疑問も浮かばなかった。
でも、ここまでは普通の夢なのだ。
問題は、家族旅行という大義名分で言った遊園地だった。
何と言う名前だったかは忘れた、何とかランド…。
ネズミのマスコットがメインキャラクターだが、他にもお姫様が居たり、王子様も居た。
映画も見た。
映画には、あのグレートセブンが“悪役として”描かれていた。
グレートセブンなんて人々の憧れの的だ。
それなのに私の夢の中では何とも卑屈で理不尽に描かれていた。
中途半端な所で夢は途切れ、私は目を覚ました。
通常ならば違和感しかない夢なのに、私は微塵も違和感を感じなかった。
寧ろ懐かしさすら感じていたくらいだ。
夢の内容なんていつもなら直ぐに忘れてしまうものなのに、朝食を終えた後でも妙に生々しく記憶に残っていた。
変な夢だったなぁ、なんて呑気に考えながら登校し、教室に入る。
すると急にユウが私に駆け寄ってくる。
この段階で嫌な予感しかしない。
ユウが口を開いた途端、私の予感は残念ながら見事に的中してしまった。
「ねぇ、Aちゃんって、夜の国出身って本当!?」
教室全部に響くような、良く通った高い声で言う。
『はぁ?』
あまりにも想定を外れた質問にすっとんきょうな声を上げてしまった。
「ねぇねぇ夜の国ってどんな場所なの〜?ねぇねぇ!」
しつこく問いかけてくるユウを私は睨んだ。
『…クロウリーか』
「学園長が教えてくれたの!」
どうしてアイツは人の情報をベラベラと…。
買収でもされたのだろうか。
でも今はそんな事はどうでもいい。
「え、夜の国って…」
「“あの”夜の国?」
「まじかよ…本当に…」
クラスのモブ共がひそひそと勝手な感想をそれぞれ述べ始めた。
勿論その中にはエースやデュースの声も混じっている。
私は心の中でクラスの奴ら全員に向かって中指を立てた。
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Yukimi(プロフ) - 優ちゃんも夢主ちゃんも夜森さんが考えなければ産まれなかった存在だから、操られてたんじゃなくて、夜森さんが考えた夢主ちゃんが本当の夢主ちゃんたちなのかなって。ごめんなさい、なんか意味分からんくなりましたね、3つめのコメント失礼しました (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 優ちゃん、辛いなあ。性格って環境で変わっちゃいますよね。愛されたいよね、いじめられっ子なんて尚更、何処かで優ちゃん幸せになって.... (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 何もかもが好きすぎた作品でした。最後に色々と考えさせられてもう、ほんと、好きです。小説の良さを言いたいけど語彙力が無くて言えない私を殴りたい。自分忘れっぽいののか面白い小説読んでも忘れちゃうタイプなんです、この小説だけは忘れたくない... (2月29日 3時) (レス) @page47 id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - ずっと読みながらにやにやしてしまう僕はどれだけ性格悪いのだろう...((もう、言葉が出ないくらいしっくりきました…!くひひって笑い方いいな...((( (2023年3月7日 18時) (レス) @page49 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - こうゆうのが読みたかったんですこういうのが!!!!!!!!! (2023年2月22日 2時) (レス) @page47 id: 447cc165c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜守 | 作成日時:2020年8月6日 18時