9.5_理想の結婚 ページ11
(この話は9話の数日後です。話数でいうと11話辺り)
私が研究対象になる事も決まり、数日が経った。
まだ暴走する可能性があるので、同じ部屋に鎖で繋がれている。
ぼんやりと雨の降る窓の外を眺めていると、扉をノックされた。
「おはよう。今日も雨が降ってるけど、窓開けさせてもらうよ。」
入ってきたのは晴さんだった。
動けない私の代わりに、いつも晴さんや藤士郎さんが窓を開けたり掃除をしに来たりしてくれる。
有難いけど、少し申し訳無い…
『よく降りますね…。』
私が窓を開け終わった晴さんに向かって言う。
晴さんも窓の外に目をやった。
「そうだね…。もう梅雨入りしたからまだ続きそうかなぁ。雨はジメジメするから苦手かも。」
晴さんは窓から目を逸らした。
私は別に雨が苦手では無いが…髪の毛がうねったりするのは嫌だ。
それに雨の日はどうもやる気が出なかったりする。
『そうなんですね…。あ、でも、この時期に結婚する事をなんて言うんでしたっけ、えーっと…ジューンブライド?』
私が前やっていたゲームは、この時期になるとジューンブライドイベントが始まるので覚えていた。
どんな話だったっけ…。
「あー、そういえばそうだね。確か、結婚や出産を司る女神 Junoが守護してる月が6月 Juneだった事から来てるんだっけ。この時期に結婚すると幸福になれる〜みたいな。」
流石、研究者!博識だ。
起源までは聞いたことがなかった。改めて聞くと、なんともロマンチックな話だ。
『そうなんですね。名前しか知りませんでした…。晴さんは結婚式を挙げるなら和装派ですか?洋装派ですか?』
特に意図なんかは無かったのだが、なんとなく気になったので聞いてみることにした。
現世では洋装で挙げる印象だけど…桜魔はやっぱり和装の方が主流だったりするのかな?
「そうだね〜うーん…。…でもいつも和服だし、結婚式でも和装がいいかもなあ。勿論、相手が洋装で挙げたかったらそうするけどね!Aちゃんは?」
少し考えてから晴さんは言った。確かに、晴さんは大体和服を着ているから、きっと似合うだろうな。
でも、タキシードを着ている晴さんも簡単に想像できる。
『私は…洋装ですかね。ドレスってなんか憧れません?ブーケトスとかもやってみたいし。』
「確かに、ウェディングドレスは女の子の憧れって感じだよね〜。」
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景色_Δ(プロフ) - 仁乃さん» そうなんですか!?ありがたいです...様々なことが重なり、完結とさせていただきました!最後まで読んでくれるんですね!?ありがとうございます...!!! (2021年6月2日 22時) (レス) id: 1c54a3263e (このIDを非表示/違反報告)
仁乃(プロフ) - 景色_Δさん» あ、私もあなたの作品を一度読んだ事がありました!主人公の語り方が面白く、思わず見入ってしまっていたのを覚えています。完結していたんですね。今から最後まで読ませて頂きます! (2021年6月2日 22時) (レス) id: f8c4049ddb (このIDを非表示/違反報告)
仁乃(プロフ) - 景色_Δさん» コメントありがとうございます!喜んで頂けて嬉しいです。頑張ります! (2021年6月2日 22時) (レス) id: f8c4049ddb (このIDを非表示/違反報告)
景色_Δ(プロフ) - うわああああ!!!素敵な小説発見!!感謝ですー!!!更新頑張ってください!!応援してます!!! (2021年6月2日 19時) (レス) id: 1c54a3263e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:仁乃 | 作成日時:2021年5月30日 18時