HONEY LOVE ７

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「俺らがAちゃん達の分も払ったこともさ
ずーっと色んな奴にお礼言い回ってたのも見てて、いい子だなぁって思ったよ」

「そ、それは……いまいち誰が偉い人なのか分かんなくて誰にお礼を言えばいいか分からなかったから……」

「そゆとこ、すげぇいいと思った」



褒められ慣れてなさすぎて
どう反応して、どう答えればいいのか分かんない。




「そのあと何年かして彼女と別れてさ
後輩が土屋さんと付き合ってるしAちゃん紹介してもらおっかなぁとか思ったんだけど
あの時一瞬会っただけの奴に声かけられても嫌かなぁとか思ったら行動も起こせなくて」



それはちょっと意外かも。
そんなこと気にせず声とかかけそうだし、意外にも誠実っぽくてキュンとするじゃないか。




「でも、後輩の結婚決まって結婚式もするって聞いて
あわよくばまた会えるんじゃねぇかなとか期待してたら
ブーケトスでめちゃくちゃ目立ってたっていう」

「……最悪な再会ですね」

「なんでよ？俺にとっては最高だったんだけど」

「え？」



あの屈辱的なシーンが最高とか嫌味？！
とか思ったけど、



「そのブーケのお陰で出会える相手、絶対俺だと思ったから」



一気にやられた。

はい、ってまだ手にしてたブーケの花束を私に渡してきて
それを受け取ると甘い花の香り。




「凄い自信ですね……」

「でもそう思わない？」

「で、でも！会場で声掛けてこなかったですよね？
何でわざわざ駅まで……」

「会場は後輩の結婚式だし、そこで声掛けんのは違うっしょ。
二次会で話そうと思ってたけど駅に向かって歩いていっちゃうから、ごめんだけどあと付けてた」

「そう……なんですね」




ちゃんと後輩の結婚式の邪魔をしないようにするのも感心する。
見た目に反して誠実な感じ出してくるの狡い。





「ってことで、返事は？イエス？ノー？」

「え？返事？なんの、」

「はい、さーん、にー、いーち」



いまいちなんに対しての返事なのかは分からないけど
カウントダウンで急かされて、




「い、イエス？！」




ノー、と断る理由もなくてイエスと答えてしまった。





「よし、じゃあイエスってことで」




花束ごと体を引き寄せられ、顔を上げた瞬間にはもう唇を奪われていた。

触れるだけの数秒のキス。

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