HONEY LOVE ７

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「？！？！」

「うちの製品のベルト、女の人だと一番小さい穴でも緩い人とかいるらしいからさ
ん、でも大丈夫そうだな」




あ、手首の太さを測ってたわけね。

指先をぐるっと手首に回されて脈拍が伝わってそうでドキドキした。




「わ、私そんなに華奢じゃないですしね」

「そう？華奢に見えたけど」

「いやいやもう歳だし見えないとこがやばくて」

「ふーん、見えないとこね」




結婚式帰りだからちょっと露出は多めだし
腕とか首元に目線を感じて、ばっ！と両手で大袈裟に隠してみる。




「見ないでくださいよっ」

「んふふ、だってんな事言われたら逆に気になるし」

「いいですいいです、気にしないでください！」



なんだか恥ずかしくなって
壁にかけてたハンガーから上着を取りボタンまできっちりとめた。

それを見て北山さんは笑ってるし。




「タクシーで帰るよね？」

「あー…、でも終電もまだ間に合うから電車でも……」




帰る、よね。そりゃそうだよね、当たり前だ。




「もうちょい話したいんだけどどうしようかな」

「え？」




私の心の隅に隠した気持ちを読み取るようにそう言うと
北山さんも立ち上がって上着を羽織り
そのまま側まで距離を詰めてくる。

タバコと香水が混じった香りがして
ドキドキと心拍数が上がってく。




「俺ん家ここから割と近いんだけどさ」

「あ……はい」

「なんか後輩達の話ばっかでAちゃんのこと聞けてなかったし」

「私……の話なんて特に面白くもなんとも…」

「でも知りたいんだけど」




せっかく上着を羽織って隠したのに
指先に触れてきて私の気持ちを揺さぶってくる。

触れられる箇所が多くなるほど体が熱くなってきて




「行こっか」



って、そのまま繋がれた手を解けず
荷物を持ち店の外へ出ると、ちょうど停まっていたタクシーに乗り込んでしまった。






「……北山さん、彼女いないんですか？」

「ふは、今更それ聞く？」

「だって…彼女いたらさすがに家に行くのはちょっと」

「いないよ、Aちゃんは？」

「私はブーケトスに呼ばれるくらいだからいないの分かってますよね」

「まぁね」




タクシーの中は暖房が効きすぎて暑いくらいだったけど
ずっと乗ってる間、手を離すことはなかった。

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