HONEY LOVE ７

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「だからプロポーズするって聞いた時もさ、タイパニック好きならそれ風にプロポーズしちゃえよってアドバイスしたら
本当にクルージングの船の上でプロポーズしたんだよな」

「え？！あれ北山さん発案だったんですか？！」

「え？うん、まぁ冗談半分ではあったけど」

「だからだったんだ、なんかプロポーズだけやけに昭和感あるねって土屋ちゃんと話してたんです！」

「おーい、俺の立場」

「ふふ、謎が解けました」




届いた料理を摘みながらそんな話をして
初対面なのに話しやすくて楽しい。

後輩同士が結婚したっていう共通点があるのは大きいけど
この人、聞き役も話も上手くて自然に話せてしまう。







「あははっ、それ知ってます！
土屋ちゃん、料理が壊滅的に苦手なんですよね〜」

「やっぱ？休憩中に初めて弁当作ってもらいました！って目キラキラさせながら見せてきたんだけど
まぁ〜お世辞にも美味そう！とは言えなかったよな」




ビールからサワーに移行してだいぶ飲んで
いつの間にか結構時間がたってしまっていたみたいで、




「失礼します、ラストオーダーの時間ですけどご注文大丈夫ですか？」

「あー、俺は大丈夫だけど飲む？」

「ううん、大丈夫です」




携帯を開いてみると、あと一時間で日付が変わる時刻だった。




「やばい、いつの間にかこんな時間だったんですね」

「な、俺も気付かなかったわ」




まだ今帰れば終電は間に合うけど
なんだか無駄にソワソワしてしまう。

男の人と二人きりでこんな遅くまで飲むなんて久しぶりすぎて
変な期待しちゃってる自分がいるんだもん。





「あ……の、その時計かっこいいですね」




残ってるサワーを飲みながら
沈黙が怖くて、チラッと見えた北山さんの腕時計に話題を振ってみた。



「これうちの会社で手掛けてるデザインの腕時計なんだけどさ
ベルトとか色とかカスタマイズ出来んのよ」

「へぇ〜……、あ！そういえば土屋ちゃんも彼にカスタマイズしてもらったって付けてました」

「もし良かったら俺もプレゼントするよ」

「え？」

「付けてくれたら宣伝にもなるし」




そう言いながらテーブルの上に置いてた私の手を取ると
手首に触れてきて手のひらを密着させられた。

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