HONEY LOVE ７

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「生ふたつ、でいいよね？」

「あ、はい」




着いたのはオシャレな個室の居酒屋で
ちょっと薄暗いからハラハラしたけど、メニューも店員さんも普通そうで安心した。




「さて、何食いたい？」

「うーん、そこまでお腹空いてるわけでもないんですけど」

「だよなぁ、じゃあつまむ程度のもの適当に頼んどくか」




ビールが来るまでの間、適当にメニューを決めて
すぐに届いた生ふたつを受け取り




「じゃ、かんぱーい」



コツン、と向かい合わせに座りながらグラスを合わせた。










「新婦とはどんな関係？」




ジョッキを手に、話題を先に切り出してきたのは北山さん。




「会社の直属の後輩で、入社からずっと私の下についてくれてて」

「へぇ〜だからあんな仲良さそうだったんだな」

「まぁ、仕事だけじゃなくてプライベートでも結構仲良くしてました。
北山さんは？」

「俺も同じ、直属の後輩でずっと色々教えてきたんだけど
まさかこんな早く結婚するとは思わなかったよな〜」

「ですよね、もしかして色々聞いてました？」

「聞いてた聞いてた、出会った時に惹かれたキッカケとか」

「あ！それ私も聞きました！」


「「タイパニック！！」」




二人で声が揃って思わず笑ってしまう。




「あの子２４ですよ？若いのにこの映画が大好きで、まさかの相手もそれが好きだって言うんだから驚いちゃいました」

「だよなぁ、俺最初疑ってたもん。
その女が長谷川のこと狙ってっから好きな映画の話合わせただけだろって」

「あ！私もそれ思いましたよ！
土屋ちゃんのこと狙ってて、わざとタイパニック好きだって言ったんじゃないかって」

「だめだな、疑い深いなぁ俺ら」

「ふふ、ですね。二人は純粋にそれ信じてたんだもんなぁ」




結果、本当に二人はその映画が大好きで
あれよあれよという間に結婚しちゃったんだから。

私だったら、この男話合わせてきたなって余計に警戒しちゃいそう。

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