HONEY LOVE ７

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「すみません、誤解させちゃって……でもバランスを崩したのは危なかったし助かりました。ありがとうございました」





あのブーケトスを知らない人にぶり返されたのも恥ずかしくて
早々に電車に乗り込もうとすると
なぜかガシッと腕を掴まれた。





「飲み足りた？」

「へ？」

「俺あんま飲み足りなくて、良かったらちょっと飲み行かない？」




な、なぜ……？

呆気に取られてる間に電車の扉は閉まってしまい
走り出すそれに風が吹き抜けた。




「あー…ごめんごめん。急にこんなん言われても困るよな、俺さっきの結婚式にいたんだけど
君、目立ってたしつい声かけちゃった」

「……」



目立ってた、とかまたぶり返されたくないことを笑顔で。

ブーケトスに呼ばれるくらいだから寂しい女で簡単に誘えるとでも思われたのかな、
だとしたら凄い嫌なんですけど？！




「す、すいません私帰らないと……」



と言いながらふと目に入ったブーケ。

でももしかしたら、まさかの早速ブーケのご利益……？
改めてその彼を見てみると、なかなかの良さげな顔してる。




「なんか予定あった？」

「いや……」




どう……するべきなのかな。

簡単に誘える女として声をかけられたなら嫌だけど
でもさすがに同じ結婚式に出席してたんだから、危ない人ではないんだろうし……。





「近くにオススメの店あるんだけど、どう？」

「じゃあ……ちょっと、だけ」




あの恥ずか死ぬ思いまでしたブーケのご利益を信じて




「やった、んじゃ行こ」




私は知らない男について行くことになってしまった。


店に着くまでの１０分ほど隣で肩を並べながら歩いて、




「俺、北山ひろみつっていいます。よろしく」

「私は小早川Aっていいます」

「うん、知ってる。散々A先輩ー！って呼ばれてたし」

「……ですよね」




街明かりに照らされて見えるその笑顔は小動物みたいに可愛かった。

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