はちみつ色の日々 ３

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「……もう、部活戻らなくていいんですか？」




もう諦めて二の腕を揉まれながらそう問うと
廊下の窓から見えるサッカー部の方に目をやり、うーんって曖昧な返事。

その間ももちろん、もみもみ。





「先輩、今度の試合もレギュラーですよね？」

「お、さすがよく知ってんじゃん」

「たっ、たまたま聞いたんです」

「でも今度の試合の相手、バッチバチに強いとこだからな〜」

「ふふ、バッチバチですか？」

「バッチバチだよ、まじ」





でも北山先輩だって、バッチバチにサッカーは強い。

ていうか、スポーツ全般的に得意なんだよね。

そこもまたカッコよくて、好き。





「あ、きたみつ〜、とAちゃん」





そこに現れたのは宮田先輩。

漫画研究部に所属してる、一見北山先輩とは真逆の人っぽいけど
いつも仲良さそうに話してるのが印象的。





「宮田先輩、こんにちは」

「こんにちは、……ってまたきたみつAちゃんの二の腕触ってる〜」

「そうなんです、助けてください」

「こら！きたみつ、やめなさいっ」




やだ、って反抗的なお返事。

こうして揉まれるのは比較的いつも人気がないとこでが多いから
こうしてたまに宮田先輩の前で揉まれると、どうにもなんだか恥ずかしい。





「そういえばこの前漫画で見たんだけどさ
二の腕って胸の柔らかさと同じらしいよ」





その宮田先輩の言葉に
北山先輩の指の動きが止まった。






「………え？」






胸……？

二の腕が、胸の柔らかさと、一緒……？






「っ！！///」





カーッと顔が赤くなるのが自分でも分かった。

さっきよりも強く本気で腕を振りほどくと
北山先輩はジロっと宮田先輩を睨んでから、また私に目を向ける。





「違うって、そういうんじゃなくて」

「先輩はそれを知ってて触ってたんですか…？！」

「うん…………いやっ、違、

「ひ、酷い……っ！」





恥ずかしくて堪らなくて
持ってたカバンを胸の前で抱え込み、全速力でその場を後にした。

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