はちみつ色の日々 ３

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「わ、今日先生はやいね」



放課後すぐに部室に向かうと
もう先生がいて、いつもの椅子に座ってる。



「サッカー試合近いから早めに行かなきゃなのよ」

「そっかぁ、そうなんですね……」



でも、嬉しい。
早めにサッカーの方に行かなきゃだから
こっちにいる時間を増やすためにも早く来てくれたってことでしょ？

思わずニヤケちゃう。



「なんで顔ニヤけてんだよ、そんなに俺に早く行ってほしいのか」

「え？違う違う！」



慌てて否定するとふはって笑う先生。

うー、かわいい、すき。




「あのね、今日は先生に渡したいものありまして」

「へーなになに？」



少し前のめりに座り直した先生の前に立ちはだかり
はいっ、て渡したマドレーヌ。



「調理実習で作ったやつなんだけど、美味しく作れたから」

「えーまじ？そういや今日実習室の前甘い匂いしてたもんな」

「あ！でも先生用に甘さ控えめに作ったから大丈夫ですよ」

「食ってい？」

「どうぞどうぞ」



ただラップにくるんでるだけのそれを受け取ってくれて
すぐに口に運んでくれる。

一応味見はめちゃくちゃしたけど
やっぱり緊張する。




「どう、ですか？」



まさかのマドレーヌを一口でいってしまう先生のほっぺは
それはもうパンパンで子供みたい。



「んまいっ！」

「え、ほんとですか？！」

「普通に店で売ってるやつみたいだし、さすが麻美先生だな」

「ちがーう！
確かに教えてくれたのは麻美先生だけど作ったのはわーたーし！」

「ふはは」



ごちそーさん、って立ち上がり
さりげなく私の頭をポンってしてラップをゴミ箱に捨てに行く先生。

頭を……頭をポン、って……





「？！？！///」




あまりにもナチュラルで
あまりにも突然すぎて
時差で一気に顔が熱くなった。

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