はちみつ色の日々 ３

＊ ページ15

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「北山、元気？」

「元気に見えるか」

「うん、まぁまぁ元気そうだね」

「どこがだよ」





久しぶりの藤ヶ谷とのご飯。

Aと別れてからしばらく疎遠になってたけど
最近またちょくちょく会うようになった。

ていうか、多分藤ヶ谷なりに俺のことを心配してくれてんのかなって思うんだけど。





「ちゃんと食べれてるじゃん、相変わらずお肉ばっかだし」

「今の俺の楽しみは食うことぐらいだからな」

「その楽しみがあるなら大丈夫だよ」





相変わらず食が細い藤ヶ谷とは対照的に俺はもりもり食べれてるし
そう言われればそうなのかもなぁ……。





「A元気？藤ヶ谷は会ってんだろ？」

「まぁね、たまに桜と一緒に三人でご飯行ったりしてる」

「へぇ〜……」




Aの友達をいつのまにか"桜"って呼び捨てだし
こいつは幸せ絶頂期ってわけかい。

目の前の料理を食べてる藤ヶ谷に負けじと
俺もビールを煽った。





「Aちゃん、合コンとか行ってるみたいで
新しい出会い探してるっぽいよ」

「は？！」

「でも合コンって軽い男も少なからずいて心配だし
頃合い見て俺の誠実な知り合いとかでも紹介しようと思ってるんだけどね」

「なんだそれ！」





何考えてんだよ、って思わず身を乗り出すと
藤ヶ谷はキョトンとしてサラダをパクリ。

熱くなるこの俺との温度差よ。





「Aちゃんだってそろそろ新しい出会いをして
今度こそまともな恋愛してほしいじゃん」

「………、」

「可愛くていい子だし、その気になればすぐ彼氏なんて出来るだろうね」






藤ヶ谷はこうやって言って
俺の気持ちを煽ってるのも分かんだけどさ……、






「さりげなーく合コン辞めるように言ってやれよ、あんなんに行くやつなんて駄目だ。
あと藤ヶ谷も紹介なんてしなくていい」

「自分でAちゃんに顔合わせることも出来ないくせに
立派に束縛だけはするんだね」

「…………」





言ってることが正論すぎて
なんの反論も出来ない。

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