艶恋味。

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「やっぱいいなぁ、Aさん」

「え？」

「先生だからかな？人を元気にする力あるよね」

「ええ？！そんなのないよ、私基本的にネガティブだし」

「まぁ〜確かに、自分のことにはネガティブかもねAさんは」

「自分のこと……」




そう、その通りなんだよねきっと。

玉森さんって本当に、ほんわりしてるように見えて鋭い。




「よーし、じゃあこの流れで次はAさんの番」

「へ？」

「俺がいつでも話聞くよって言ったでしょ？」




いつの間にか玉森さんは一本目のビールを飲み終えてて
次の缶を手にしながら。

プシュッて缶を開ける様も美しいなって隣で見とれてしまう。




「ほら、さっき幼稚園で色々あったみたいだし大丈夫？」

「あ……、はい、お騒がせしちゃってごめんなさい」

「全然それはいいんだけどさ、先生ってのも色々大変そうだなーって思った」

「でも…基本的には楽しいですよ。
子供は好きだし、やりがいあるし」

「でも何があっても仲裁として真ん中にいないといけないんでしょ？」

「うん、でも今日片方の子を庇っちゃった……、って、」




誘導されるように言っちゃったけど
あの話し合いの場には玉森さんはいなかったはずなのに
この確信に触れるような質問は、絶対知ってる感じじゃん。




「あは、ごめん。ほかの先生たちが噂してるの聞いちゃった」

「え、うそ。噂になってました？」

「なってたよ。あのA先生が珍しいこともあるのね〜って」

「うわぁ…やばい……」




もえちゃん側の肩を持ったことがバレてるとなると
なんだか色々と厄介なことを噂されそうで怖い。

さすがに宏光さんとの関係がバレるとは思わないけど
この小さな町だし、どこからどう綻びが出るか分かんないし下手なことは出来ないな……。






「Aさん、あの人のこと好きなの？」

「え？！」




直球すぎて思わず大きな声が出た。

私があの人のことを好き……？！

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