艶恋味。

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「……キス、上手いよね宏光さん」

「そう？」




愛されてるのかなって錯覚しそうになるほど優しく唇を合わせてくる
何度も名残惜しく離れてはまた合わせて。

それだけで息が上がるほど翻弄されるもん。





「Aはキス好きだよね」

「え？」

「ずっとキスしてほしそうに見てくるから」

「み、見てないよっ！」

「んふ、そう？」




そんな物欲しそうに見てた…？！




「さ、フワフワのベッド行くか」



そう言うとフワッと持ち上げられて
お姫様抱っこ状態になった。

こんだけ歳を重ねてきて、初体験。




「ちょっ、重いからおろしてっ」

「重くないよ別に」

「うそだぁ……」

「この為に鍛えてっから俺」




ニヒッ、って笑ってベッドに下ろされると
柔らかすぎて二人分の体重分かなり沈んだ。

覆いかぶさった状態で見上げる宏光さんの表情は
色気が溢れてるから、すごく好き。





「あ……っ、ん、ちょ」

「どんな気持ち？園児の親に抱かれるって」

「……それ今言わないで」




むしろ宏光さんこそ自分の子供の先生を抱くってどんな気持ちなのよ。




「A、上乗って」

「ん……っ」




初めて名前を呼ばれながらの行為は
なんだか更に深いとこまで堕ちてしまいそうになった。

身体が気持ちいいだけじゃ心は満たされないってよく聞くけど
私は満たされてる。いま、この瞬間は。








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＊＊＊＊＊＊＊

それから数日後、クリスマス会も目前になった時
準備をしている園児たちを撮りに玉森さんがやってきた。




「あ、たまちゃーん！！」

「やっほー」




いつの間にかすっかり子供たちにも玉ちゃんって呼ばれてて
玉森さんの周りには園児がわいわい集まり出す。




「玉森さん、今日はよろしくお願いします」

「うん、凄い楽しそうだね」




カラフルな折り紙で作った飾りとか
ツリーやサンタの装飾。

やっと形になってきて、なんとか一安心。




「たまちゃん、こっち写真してぇ！」

「はいはーい」




子供に呼ばれて向こうに行ってしまった玉森さんから
ふと近くにいたもえちゃんに視線を移した。

なんだか浮かない表情で、ペンを片手に固まってる。

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