艶恋味。

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「あれ？いつものとこじゃないですね」

「うん、いいとこにしてみた」




何度か二人で来たホテルよりも広くて豪華なとこに連れてこられて
どうしてそんなに近辺のホテルを熟知してるのか疑問が湧いたけど、それは心の中に閉まっといた。





「凄いっ、ベッドがフワフワ」

「ここ風呂もすげぇんだって」

「わあっ、本当だ！」




広いしテレビついてるし……って、
ついはしゃぎすぎた私を見て嬉しそうにしてる宏光さん。

まさかこの歳になってラブホテルにはしゃぐなんて
でも、やっぱりこういうのっていくつになってもドキドキするし。





「飲もうぜっ」

「うん」




お風呂場をグルっと見たあとベッド横のテーブルの所まで戻って
ソファに隣同士で座った。

持ってきてくれたものをテーブルの上に並べてくれて
ビールとかチューハイとかおつまみも沢山。





「どんだけ飲むつもりなんですか」

「だって先生未知数だし、俺も飲みたいし」

「私そんな飲まないですよ？」

「ていうか、あれだな。先生って呼ぶのやめないとな」





自分の缶ビールをプシュッと開けて
私にも開けてから渡してきてくれた缶ビール。

それを受け取ると、



「A、でいい？」



コツン、と缶を軽くぶつけてきた。




「……いいですけど、」

「よし、じゃあA。かんぱーい」




ビールが飲めるのがそんなに嬉しいのかってお顔で
ごくごくと飲んでいく。

それに続くように私も口をつけて喉に流し込んだ。





「ぷはーっ、うんまっ」

「久しぶりに飲んだかも、ビール」

「え、普段飲まない？」

「家ではチューハイとかかな、店だと一杯目はビールだったりするけど」

「良かった〜、一応チューハイも持ってきといて」




色んな味あんだよ、ってあまりにも無邪気に見せてきてくれるから
なんだか園児相手をしてる気分にまでなってくる。

この前飲み会で一緒になった時はそこまで騒がしくなかった印象だけど
二人きりだと割と話してくれるし、笑顔も凄く多いんだなぁって。

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