はちみつ色の日々 ２

人妻 ページ12

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「みつ……？」




あの日あの時
あの場所へ行ったのも、
出会ったタイミングも全て

偶然だった…………はず。






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「え？A？」


「やっぱりそうだよね？！
わぁ、久しぶりっ」





たまたま立ち寄ったコンビニで
見覚えのある姿に思わず声をかけると
マスクを下げて見せたその顔は昔のまんま。

っていうか
テレビではいつも見てるお顔なんだけど。





「いやもう久しぶりどころじゃないくらい久しぶりじゃね？」


「ほんと！
小学生ぶりだから……、20年以上？」


「うわ、やば」





と、ここまで話をしてコンビニ内の注目を浴びてることに気がついた。





「……あ、ごめん。
あんまり目立っちゃダメだよね」


「あー、いや全然」




芸能人なのにこんな所で私なんかと注目されちゃったらマズイのは分かるし
早々に立ち去ろうとしたんだけど、





「ちょっとこれから時間ある？
久しぶりだし飯とかどう？」





って、私が少しだけ期待してしまった展開を
簡単に口にした。






「あ、う、うんっ！」


「よし、じゃあこれ返してくるわ」





マスクをまた戻して嬉しそうに
手にしてたお弁当を返して、二人一緒にコンビニをあとにした。





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「……ねぇ、大丈夫？」


「ん？なにが？」




コンビニを出て並んで歩いてみるけど
いいのかな……？

周りの目がやたらと気になるんだけど。




「平気だよ、そんな神経質にならんでも」


「そ……？」


「はは、慎重なとこ変わってねぇのな」





そう言われたけど一応少しの距離は保ちながら
昔の記憶を思い出していた。




みつとは地元が一緒で
小さい頃はよく一緒に遊んでた。

両親が離婚したばかりでメソメソしてた私を
同じ境遇だったみつはよく慰めてくれてたっけ。

いつも父親が変わってる母の姿を見て落ち込む私に

"俺はずっとAのこと好きでいるからな"

って。

新しい父親に着いていくために転校して離れ離れになっちゃったけど
幼いながらのその口約束だけで
私はとても救われてた。

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