はちみつ色の日々 ２

＊ ページ8

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「ま、今日は飲んで楽しもうぜ」


「ですね、ありがとうござ……、」



いや、待てよ。
杉原さんの隣は駄目だって言われてたんだった。





「A？どした？」


「あ、いや、」





チラッて入口付近の宏光を見てみると
私の事なんて気にすることなく、他の人たちと
…、
っていうか宏光だって女の子両隣にして楽しそうに飲んでるじゃん。






「………、」





私の中の何かがプチッと切れた気がする。

会社の飲み会なんてほとんど来ないから知らなかったけど
いつもこんな感じなのかな。

女の子両隣にして楽しそうにして？







「……なんでもないです。
飲みましょう、杉原さん」





ちょっと控えめにしてたビールを一気に喉に流し込んで
いいねいいね〜♪って楽しそうにしてる杉原さんと一緒に色んな話で盛り上がった。





.







━━━北山side



「あいつ……何してんだよ」


「北山さん？どうしましたぁ？」


「あ、いや、なんでも」





ちょっと目を離した隙にいつの間にか杉原はAの隣に腰を下ろしてて
酒あんま飲むなよって言ってたのに
ガンガン飲んでるし……




「やばぁい、私飲み過ぎちゃったかもです〜」


「え、マジ？大丈夫？」


「大丈夫じゃないって言ったら、どうします？」


「うーん、とりあえずタクシー呼ぶけど」


「送ってってくれません？」


「んー………」





もう〜、それどころじゃないんだよ俺は。

いつの間にか隣の子に腕を組まれてたけど
視線の先にいるAがトロンとした目で杉原を上目に見つめてる。

駄目だろあれは、ダメダメダメ絶対だめなやつ。





「ごめん、タクシー違うやつに呼んでもらって」


「へ？」





気付いたら隣の女の子の腕を解いて立ち上がってて





「A、行くぞ」


「え？」





その手を引いて立ち上がらせ
荷物を持ってその場を後にした。

周りの注目一気に浴びたけど、
Aも呆然としてたけど、
もう知らん。

Aが悪いんだからなっ。

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