はちみつ色の日々 ２

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「何飲む？ビールとかでいい？」

「あ、はい……っ、ビールでっ」




個室な居酒屋っぽいとこに連れてきてもらって
緊張の面持ちな私にメニューを手渡してくれる。

早速店員さんに飲み物を頼んでくれるから
その間に私は深呼吸。

どうしよう、何を話したらいいのか分かんない。





「ここ、何食ってもうまいよ」



店員さんもいなくなって、あわわ状態な私を察してなのか
優しく私に話しかけてきてくれてる。

ここには私しかいないから当たり前なんだけど
この状況が当たり前じゃなさすぎて。




「よく、来るんですか？ここ」

「店長と知り合いだからさ、よく一人で飯に困ったら来たりしてる。
もちろん友達と来たりもするけど」

「いい、ですね、そういう行きつけが、あるって」




相変わらず緊張で上手く話せず、息継ぎがおかしくなっちゃってる私。

落ち着こうと思えば思うほど、声が震えるんだもん……！





「……てかさ、ちょっと聞いていい？」




改まって急にそう問われ、ビクッとした。




「ど、どうぞ……」




絶対この私のしどろもどろな感じを不審に思ってるだけに
続く言葉にドキドキしてしまう。




「失礼しまーす、飲み物お待たせしました」




するとタイミングよく飲み物を届けてくれた店員さんに
少しだけ救われた。

あざーっす、って受け取ってるみっくんを見ながら
カバンからスマホを取りだし、テーブルの下で握りしめる。



いっそこれは、みっくんのファンだと言ってしまった方が
罪悪感なく普通に話せるんじゃないかな。

黙っててあとでポロッとバレてしまったら
それこそ私の信用がガタ落ちじゃん。

ていうか別に
初対面の私の信用なんてもともとないんだろけど……。





「はい、乾杯しよ」

「あ、はい…っ」





リラックスした感じで私とグラスを合わせようとしてくるその視線に
警戒心ゆるゆるすぎて心配になってきた。




「そんで？Aちゃんだっけ？
俺のことどんくらい知ってるの？」

「？！？！」




ビールをぷはって美味しそうに飲みながらのその質問に
グラスが割れるんじゃないかってくらい無意識に強く握ってしまう。

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