はちみつ色の日々 ２

＊ ページ20

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「コンビニ……」




今更ウコンとか飲んでも効くか分かんないけど
このまま黙ってても良くならない気がして
重い体を引きずって、そのまままた部屋を出た。

外の清々しい空気に一瞬頭の痛みが引いた気がしたけど
次の瞬間、グラりと目の前が歪んで




バタン……っ、て地面に倒れてしまった。


右頬がひんやりするコンクリートに押し付けられて痛いのに
起き上がれないし、


やばい、このまましんじゃうんじゃないかなって思った



━━━その時だった。







「おい、大丈夫？！」





男の人の声が聞こえてきて
ゆっくり目だけを開くと、見覚えのあるお顔。





「……え？君さっきの……」




近付いてくる耳に嫌でも残る無駄に甘い声。
あれ？って思った時にはもう
私はまた意識が遠のいてしまっていた。







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━━宏光side


もう夜が明けてしまった時刻に
ようやく仕事を終えて家に帰ると
マンションの前に倒れ込んでる女の人の姿。

ギョッとして慌てて近づくと
嗅ぎ慣れた酒の匂いに混じって、優しい匂いがした。



あれ、この香り………






「………君、さっきの？」





抱き上げるようにすると
トロン、とゆっくり見つめてくるその瞳は
やっぱりそうだ。

さっきまで一緒にいた店の客だった。






「ちょ、大丈夫か？」


「う………ん、」





その返事とは裏腹に
一気に力が抜けて、抱き抱えてた腕が重くなった。

やべぇ、って思ったけど
息はしてるし、顔もほんのり赤い。

息遣いも、安定してスースーして………




って、寝てるんかいっ！





店を出る時も冷静を装ってはいたみたいだけど
やばいんじゃねぇかなって心配してた。

でもまさか、俺ん家のマンション前でこんなんなってるとは。





「おーい、とりあえず俺の部屋に運ぶぞー？」




多分聞こえてないと思うけど
その体を抱えるように担いで………、

でもその軽さに、お姫様抱っこの形に抱き直した。



店ではあんなに警戒心MAXだったのに
今こんなにも俺に全てを預けてるのを見ると
なんか変な感じ。

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