ソライロ (ページ8)

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「やっぱ身近にイケメンがいると、アイドルとか見てもなんとも思わないの？」

「え？イケメンって？」

「宏光さん！めちゃくちゃイケメンじゃん！」

「あぁ……お兄ちゃんね」

まぁ、確かに最近思う。
一緒に歩いてても周りの女の人から視線感じるし、実際彼女だっている……んだと思うし。

「ニカもかっこいいしね」

「え？ニカ？！」

「そこそんな驚くとこ？」

「いやだって、ニカ？」

ニカをイケメンだとは思ったことない。
だって小学生の頃からずっと一緒に遊んでて
男なんて感じることもなかった……

って、あれ？

「ん？どした？」

急に黙った私に不思議な顔をする菜摘。

みっくんだってずっと一緒にいたはずなのに
ニカに感じることのない、男を感じてる。

「……ちょっとニカのとこ行ってくる」

「へ？なんで急に？」

なんだかいても立ってもいられなくて
隣のクラスに行くとニカが友達と話してるのが見えた。

「ニカごめん、ちょっといい？」

「おう、どした？」

「ちょっと用事があって」

半ば強引に教室から連れ出して人気のない空き教室に。

カーテンも何も着いていないその教室は
朝日が直にあたって眩しいくらいだった。

「なになに、なんなの？」

「1回さ、上裸になってくれない？」

「は？！」

そう。確かめたかったのはニカにドキドキするのかどうか。

最近みっくんがお風呂上がりに上半身裸で出てくる度に
ドキドキというか、これがムラムラ……？！みたいな感情が出てきて困ってるから
それをニカにも感じるかどうか確かめたくて。

「お願い！一瞬でいいから！」

「バカなの？！なんでこんな空き教室で女とふたりで裸になんだよ！」

「……ドキドキするの？私の前で裸になるの」

「なっ……、はぁ？！」

手を合わせてお願いポーズからちらりと様子を伺うと
少し耳が赤くなってる。

「……ごめん、むちゃくちゃすぎたね」

冷静に考えるとヤバいやつすぎる。
なんだか急に恥ずかしくなってきて、戻ろっかって声をかけようとすると

「じゃあお前はどうなのよ？」

って、右手を取られた。