ソライロ (ページ7)

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７―中学生ページ7

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「みっくん、早くー！洗面所使わせてよー！」

「ちょっと待てって」

慌ただしい平日の朝。

洗面所には中学の制服を着た私と、高校の制服を着てるみっくん。

お互い高三と中二になっても相変わらず
ドタバタしてる兄妹の関係性は変わってない。

「そんなに髪の毛セットしてなんかあるの？」

「身だしなみだよ、身だしなみ」

「あ、モテようとしてるんだ」

「違ぇーよ」

いや、絶対そうじゃん。
制服もいい感じに気崩しちゃって、モテる雰囲気醸し出すんじゃないよ！
って内心思ってみる。

「ここ髪の毛はねてるよ？」

隣同士で狭めの洗面台に並んでると
ちょうど目線にある襟足が少しぴょこってはねてる。

「え、まじ？どこ？」

「ここ」

って、そこに触れようとしたらタイミングよくみっくんもそこに触れるから
指先がお互いに触れる。
反射的にビクってしたけど、ここで手を離したら逆に変な感じになりそうで。

「ま、まぁそのくらい誰も見ないって！平気平気」

「誰も見ないとかじゃなくて自分が気になるんだよ……つか、時間！やべっ」

洗面台に置いてあった携帯の時計を見て
慌てて飛び出して行ってしまった。

「もう、だから早くって言ってたのに」

高校は中学よりも遠いから家を出る時間も違って
もう一緒に朝登校することはなくなった。

鏡を見ながら自分の髪の毛を整えてても
みっくんの甘いワックスの残り香が鼻をくすぐる。

「あーあ……もう……」

この時にはもう完全に自覚してた。
私が、みっくんを好きだってこと。

でもやっぱりどこかでよく分からない部分もあって
これが恋なのか、お兄ちゃんに対する家族の愛なのか。

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＊＊＊＊＊＊＊

「A、玉森くんかっこよくない？！」

登校して教室に入るなり
おはようの挨拶もなしにずいっとアイドル誌を目の前に差し出された。

必然的にドアップになる玉森くんというアイドル。

「はいはい、かっこいいね」

「何それ絶対思ってないじゃん」

クラスメイトの菜摘。
面食いでアイドルが好きで、いつもかっこいい先輩にキャッキャしてて
見てて飽きないというか、楽しそうだなって思う。