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私は空が嫌いだ。

抜けるような青い空も、赤く染った夕日も、真っ暗な夜空も
吸い込まれそうで怖くなる。




「俺ん家、来る?」




でもあの日、あなたに出会って全てが変わった。

そう、あの日から――――







.







******


「うちでは引き取れないわよ」

「うちだって無理よ、二人も子供いるんだし」




まだ私が小学生になったばかりの頃
両親が事故で亡くなった。

現実味も何もなく、近くの部屋から聞こえてくる大人たちの会話を背に
なぜだかずっと空を眺めていたのを覚えている。




「泣いてんの?」



そんな時ひょこっと目の前に現れた男の子。

こめかみに貼られた絆創膏が印象的で、



「あれ、泣いてねぇじゃん」



泣いてるかと思った、って笑いながら。




「俺ん家、今日カレーなんだって。カレー好き?」

「……」



急になんの話をしてるんだろう、ってかなり怪訝な顔をしてたと思う。
黙り込む私にその男の子はそのまま話を続けた。




「あんま母ちゃんには言ったことねぇけど、激うまだようちのカレー」

「……」



戸惑いからただひたすらにその男の子を見つめてたら
ポリポリと照れたように絆創膏に触れて
そのままその手を私に差し出した。




「俺ん家、来る?」




夕日に照らされたその姿は今でも昨日のことのように覚えてる。

幼いながらに、不安と絶望の中で戦っていた私に差し伸べられたその手を
無意識に強く握っていた。




「よし!行こうぜ」




二カッ、て笑うその笑顔に私は
何度救われてきただろう。

遠く霞む空と繋がれたままのその手。
その手からそっと感じる温もりに
少しだけ戸惑っていた。

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siori(プロフ) - みゆちゃん良かったねw。久しぶりの新作楽しみです♪ソライロの歌詞も見てきちゃいました(大切w) (2022年11月18日 15時) (レス) id: 61df7685fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2022年11月16日 20時

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